五日会俳誌「櫻草」記事-第101号(2006年5・6月號)
~第六回東北大鬼城俳句会~
七人が来高し、句会を開く
鬼城草庵では初めて
本誌「櫻草」の村上谿聲主宰が指導する、東北大鬼城俳句会は五月二十六日午後一時半から、高崎市並榎町の鬼城草庵記念館二階の研修室で初の句会を開いた。
句会は来訪者のほか、主宰と筆者が加わり、総勢十人(正しくは十一人-管理人注)(一人が出句のみ参加)が四つの兼題(山女、祭、夏めく、海棠)を含め、当季雑詠など七句を投句して始まった。
短冊に書く投句に始まり清書、その回す側に戸惑う人もいたりしたが、順調に選句、互選披講と進んだ。かつて同じ学窓に学んだ同年輩の仲間のよしみ、和気謁々とした研究熱心な句友であった。だれからとなく疑問の声が出て、だれとはなしにそれに答える。終始談笑が漏れ、鋭い会話が飛び交い、眩き声が拡声器ならぬ、増幅されて聞こえる。次回の兼題まで協議して決め、日取りと会場を確認して句会を終えた。
句会の後は、鬼城資料館の貴重な軸や短冊、子規との交換書簡、芥川龍之介、伊藤左千夫からの手紙など作品群をじっくりと見学、草庵の鬼城師の応接間、居間等約三時間にわたる研修を終えた。この後も、ミニ同窓会ぶりを展開、磯部温泉に一泊、上州の夜を楽しんだ、と聞く。
同会は昨春、東京・文京区の日本学士会館を会場にして発足したばかり、初心者が多い。二月ごとに開き、これまで五回を数え(今回で六回)、腕を上げている。会員は村上谿聲主宰と一緒に学んだ東北大(仙台市)法学部卒業生が大半で、俳号も弁慶、如雨、蓮囲地、貞風などとユニークな人たちばかり。まだ、第一線で働く現役もおり、のんびりしたリタイア組とも久しぶりに対面した仲間もいたようだ。
パソコン技術を駆使して、ホームページ ※ を立ち上げて、句会ごとに作品を公開している。
(記・坂口青郎)
※ http://www.geocities.jp/kijouhaiku/
・ 第6回句会に特別参加された坂口青郎氏による当句会の紹介文が「櫻草」第101号(2006年5・6月號)に掲載されました。
・ 坂口青郎氏は「櫻草」同人会副会長で、同誌に「静簾亭夜話」を長く連載されています。
・ ごく一部誤植等の語句を修正させていただきました。