萩の香る宮城野

東北大鬼城句会例会記録Ⅱ

村 上 谿 聲 主 宰 の 同 窓 句 会 例 会

このページは第10回('07/1)から第20回('08/9)までの例会記録です
谿聲主宰病臥により第19回('08/7)からは会員の互選による句会です。

▽このページの末尾

このほかの例会記録

例会記録Ⅰ第 1~ 9回('05/ 7~'06/11)
例会記録Ⅶ第61~69回('15/ 7~'16/11)
例会記録Ⅱ第10~20回('07/ 1~'08/ 9)
例会記録Ⅷ第70~78回('17/ 1~'18/ 5)
例会記録Ⅲ第21~30回('08/11~'10/ 5)
例会記録Ⅸ第79~87回('18/ 7~'19/11)
例会記録Ⅳ第31~40回('10/ 7~'12/ 1)
例会記録Ⅹ第88~99回('20/ 1~'21/11)
例会記録Ⅴ第41~51回('12/ 3~'13/11)
例会記録ⅩⅠ第100~111回('22/ 1~'23/11)
例会記録Ⅵ第52~60回('14/ 1~'15/ 5)
例会記録ⅩⅡ第111~………回('24/ 1~……)

誤字、表記違いあるいは作者名等に気づかれましたらお知らせください。

すすき


第20回句会

2008年9月26日(金)  於 :学士会館
兼 題:天高し・秋刀魚・吊し柿・新涼・朝顔。当季雑詠。

会員の互選の結果です。
選者の配列順は俳号の50音順です。
<鈴木蓮囲池 選>
連山を望みて里の柿簾 弁慶
吊るし柿姉健在の宅配便貞風
朝顔のつる軒先に迷ひけり仲安
秋刀魚焼く春夫の詩を口遊くちずさ弁慶 
親潮の紺に染まりし秋刀魚かな游悦

<高橋啓窓 選>
連山を望みて里の柿簾  弁慶
夜顔の大輪開き友和顔隆一
新涼や御詠歌響く地蔵堂三鬼堂
蜩や人の世はなど言ひさして如雨
朝顔市入谷は江戸の風物詩蓮囲池

<伊東興山 選>
母が焼く秋刀魚待つ子ら賑やかに 啓窓
朝顔のつる軒先に迷ひけり仲安
渓流やヤマベ飛び跳ね秋凉し啓窓
天高し紺碧の空に雲一点仲安
新涼や生徒の顔も大人びて游悦

<合田三鬼堂 選>
新涼や生徒の顔も大人びて 游悦
連山を望みて里の柿簾弁慶
帰省子も去りて軒端の吊し柿游悦
秋刀魚焼く潮の流れに感謝して隆一
親潮の紺に染まりし秋刀魚かな游悦

<小川修人 選>
天高しはないちもんめ安芸の国 貞風
谷深きグランドキャニオン天高し游悦
ともかくも国一の宮天高し隆一
釧路川下りしカヌー秋夕焼啓窓
焼き過ぎと思うも旨き秋刀魚かな興山

<岩渕如雨 選>
飛ばし読む推理小説涼新た 修人
朝顔のつる軒先に迷ひけり仲安
吊し柿散居の村の風御堂隆一
天高しはないちもんめ安芸の国貞風
天高し浅間の煙棒立ちに蓮囲池

<中野仲安 選>
連山を望みて里の柿簾 弁慶
新涼や御詠歌響く地蔵堂三鬼堂
行きつけの店閉ぢし跡虫の声如雨
天高し浅間の煙棒立ちに蓮囲池
新涼や生徒の顔も大人びて游悦

<松本貞風 選>
天高く霧中に浮かぶ奇峰群 興山
朝顔の覆い繁りてエコ効果仲安
飛ばし読む推理小説涼新た修人
親潮の紺に染まりし秋刀魚かな游悦
軒先で食欲誘ふ吊し柿興山

<武蔵弁慶 選>
親潮の紺に染まりし秋刀魚かな 游悦
朝顔のつる軒先に迷ひけり仲安
新涼の駅に佇む古老かな興山
志ある句詠みたし天高し修人
朝顔市入谷は江戸の風物詩蓮囲池

<奥山游悦 選>
朝顔のわづかに揺れて雨兆す 如雨
吊るし柿姉健在の宅配便貞風
新涼や庭園灯の控へめに如雨
行きつけの店閉ぢし跡虫の声如雨
釧路川下りしカヌー秋夕焼啓窓

<平山隆一 選>
秋刀魚二尾戦後は遠くなりにけり 蓮囲池
原油高一斉休漁秋刀魚船貞風
志ある句詠みたし天高し修人
天翔けるアポロン讃仰吊し柿修人
朝一輪夕に二輪朝顔記蓮囲池


印は特選に選ばれた作品です。

<互選句まとめ>
4点 連山を望みて里の柿簾 ☆☆☆弁慶
4点 親潮の紺に染まりし秋刀魚かな 游悦
4点 朝顔のつる軒先に迷ひけり 仲安
3点 新涼や生徒の顔も大人びて   游悦
2点 天高しはないちもんめ安芸の国 貞風
2点 飛ばし読む推理小説涼新た 修人
2点 吊るし柿姉健在の宅配便貞風
2点 新涼や御詠歌響く地蔵堂三鬼堂
2点 釧路川下りしカヌー秋夕焼啓窓
2点 天高し浅間の煙棒立ちに蓮囲池
2点 行きつけの店閉ぢし跡虫の声如雨
2点 志ある句詠みたし天高し修人
2点 朝顔市入谷は江戸の風物詩 蓮囲池
1点 母が焼く秋刀魚待つ子ら賑やかに 啓窓
1点 天高く霧中に浮かぶ奇峰群 興山
1点 朝顔のわづかに揺れて雨兆す 如雨
1点 秋刀魚二尾戦後は遠くなりにけり 蓮囲池
    他の1点句 ‥‥ 18句
 


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


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ほおずき


第19回句会

2008年7月23日(水)  於 :学士会館
兼 題:馬鈴薯の花・合歓の花・雲の峰・打水・夏痩。当季雑詠。

<村上谿聲主宰病臥のため今回から会員互選のみの句会となりました>

以下、会員の互選の結果です。
選者の配列順は俳号の50音順です。

<高橋啓窓 選>
雲の峰天地有情の境地たり 弁慶
雲の峰しろつめ草の丘白く貞風
馬鈴薯のうす紫に道暮るる如雨
道の辺に仙女微笑む合歓の花修人
ビルの間に色街名残りの合歓の花三鬼堂

<小川修人 選>
ビルの間に色街名残りの合歓の花 三鬼堂
馬鈴薯や昔の家族子沢山弁慶
夏痩せの妻畑作に精を出し弁慶
争ひしゆえ忘れゐて雲の峰如雨 
夢覚めてさよならもなし合歓の花隆一

<岩渕如雨 選>
打水やたちまち干され島の路 貞風
夏痩せの襟を正して盤に座す蓮囲池
打水や豆腐献上の老舗かな三鬼堂
声大き球児のせなに雲の峰修人 
ビルの間に色街名残りの合歓の花三鬼堂

<中野仲安 選>
知床や蝦夷海霧えぞじり切れて勇姿みせ 啓窓 
打水の音も大地に吸はれけり游悦
声大き球児の背に雲の峰修人
夏痩せてなほ意気盛んウォーキング修人
骨上げて降る坂道合歓閉じる蓮囲池

<松本貞風 選>
声大き球児の背に雲の峰 修人
打水や豆腐献上の老舗かな三鬼堂
黒百合に託して告げる蝦夷の恋啓窓
夏痩せの襟を正して盤に座す蓮囲池
空襲を告げしサイレン合歓の花如雨

<合田三鬼堂 選>
七色の飛沫しぶき従へ撒水車 如雨 
雲の峰明日は異郷へ旅に立つ游悦
声大き球児の背に雲の峰修人
馬鈴薯の花の果てなり地平線修人
打水やたちまち干され島の路貞風

<武蔵弁慶 選>
馬鈴薯の花の大地ぞ北海道 游悦
雲の峰明日は異郷へ旅に立つ游悦
夏負けて華やかなりし宿の膳如雨
水打てば庭の草木も家族かな修人
哲学堂の空を覆ひし雲の峰三鬼堂

<奥山游悦 選>
水打てば庭の草木も家族かな 修人
朝露に馬鈴薯の花そぼ濡れる仲安
馬鈴薯のうす紫に道暮るる如雨
争ひし故忘れゐて雲の峰如雨
夏痩せの襟を正して盤に座す蓮囲池

<平山隆一 選>
夏痩せや座り直して句集読む 游悦
水打てば庭の草木も家族かな修人
争ひし故忘れゐて雲の峰如雨
知床や蝦夷海霧切れて勇姿みせ啓窓
骨上げて降る坂道合歓閉じる蓮囲池

<鈴木蓮囲池 選>
馬鈴薯の花の大地ぞ北海道 游悦
黒百合に託して告げる蝦夷の恋啓窓
馬鈴薯のうす紫に道暮るる如雨
打水に一時の涼抱きしめる仲安
馬鈴薯の花の果てなり地平線修人


印は特選に選ばれた作品です。

<互選句まとめ>
4点 声大き球児の背に雲の峰 修人
3点 ビルの間に色街名残りの合歓の花 三鬼堂
3点 水打てば庭の草木も家族かな 修人
3点 馬鈴薯のうす紫に道暮るる 如雨
3点 争ひし故忘れゐて雲の峰如雨
3点 夏痩せの襟を正して盤に座す蓮囲池
2点 馬鈴薯の花の大地ぞ北海道 ☆☆游悦
2点 打水やたちまち干され島の路 貞風
2点 知床や蝦夷海霧切れて勇姿みせ 啓窓
2点 骨上げて降る坂道合歓閉じる蓮囲池
2点 黒百合に託して告げる蝦夷の恋啓窓
2点 雲の峰明日は異郷へ旅に立つ游悦
2点 打水や豆腐献上の老舗かな 三鬼堂
2点 馬鈴薯の花の果てなり地平線修人
1点 雲の峰天地有情の境地たり 弁慶
1点 七色の飛沫従へ撒水車 如雨
1点 夏痩せや座り直して句集読む 游悦
    他の1点句 ‥‥ 12句
 


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)



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雨蛙


第18回句会

2008年5月23日(金)  於 :学士会館
兼 題:草餅、杏の花(花杏)、桐の花、武者人形、安居あんごかはづ。当季雑詠。

席上講評された特選・入選句、互選句です。(ほぼ清記順)
正式には主宰作成の記録に依ります。
(この会のあと間もなく主宰が病魔に襲われ、正式記録は作成されていません)。


 <特 選> 
保津川の飛沫しぶきに遠き桐の花 如雨 
山門に猫の寝そべる安居かな ☆☆修人
花杏毀誉褒貶にかかわらず蓮囲池
--------------------
 <入 選> 
日本ひのもとれし幸せ青田かな游悦 
定まらぬ田螺の道や風遊ぶ 如雨
化野(あだしの)や緑百色石仏如雨
粽解く紐の長さや古鞄如雨
継之助傷つき辿る桐の里弁慶
武者人形元気に育てと送りやる仲安
杏咲く北アルプスに千曲川仲安
病の手安居の墨を磨りおろす 蓮囲池
旅好きの女三人草団子 蓮囲池
君は剪る一輪挿しや桐の花俊知
みちのくの山澄みわたり桐の花俊知
花杏今日は遠出のランニング貞風
菖蒲湯や子供泣く声笑う声貞風
嫁に来し母は十七桐の花 ☆☆貞風
縁先に心地良き風草の餅修人
--------------------
春雷に蛙の合唱ふと止みぬ三甫
庭先の牡丹一輪朝日浴び啓窓
檀那寺人影見えず安居かな興山
----------------------------------
<互選高点句・特選句より>
3点 母逝きて明治は遠く遠蛙 ☆☆蓮囲池
3点 嫁に来し母は十七桐の花 ☆☆貞風
3点 山門に猫の寝そべる安居かな ☆☆修人
3点 病の手安居の墨を磨りおろす 蓮囲池
3点 旅好きの女三人草団子 蓮囲池
3点 無人駅遠巻きにする蛙かな 游悦
3点 そのときが信濃への旅花杏谿聲
2点 夏安居げあんごや風ひとすじに背筋立て 隆一 
2点 保津川の飛沫に遠き桐の花 如雨
1点 定まらぬ田螺の道や風遊ぶ 如雨

(1、2点句は互選特選となったのみ載せています。)

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆は二重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
点睛の眼が生きて鍾馗の図
そのときが信濃への旅花杏

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さくら


第17回句会

2008年3月28日(金)  於 :学士会館
兼 題:絵踏えぶみ曲水きょくすい、西行忌、つちふる、彼岸。当季雑詠。

彼岸会や同胞はらから欠けず打揃ひ蓮囲池
<主宰評> 直系・傍系いずれにせよ尊属の供養は覚悟の上のことだが、兄弟姉妹はつらいものだ。われらが齢を重ねても「打揃ひ」というのはめでたい。
絵踏して心閉ざせし遊女かな俊 知
<主宰評> 神の前の平等を説いたキリストの教義は、身分制社会であった日本の最底辺の遊女に希望を与えた。しかし、「絵踏」した遊女は深く心を閉ざしたのである。原句:閉ざしし
暮れなづむ仏舎利塔や霾れり修 人
<主宰評> 中国かインドかは知らないが、「暮れなづむ」との措辞に、「霾」の季節がぴったりと合っている。
狐狸庵の神の沈黙絵踏かな 如 雨
<主宰評> 狐狸庵・遠藤周作の小説踏絵の苦悩を描く「沈黙」を踏まえた句。
--------------------
黄砂舞ふ長江の空ひとつづき ☆☆☆☆蓮囲池
山家集繙き偲ぶ西行忌弁 慶
いきなりの雪も花かと西行忌  如 雨
もののふに花の心ぞ西行忌  修人
変はる町変はらぬ老舗彼岸かな修 人
曲水や義之が詩作の宴をはり弁 慶
絵踏せぬ殉教の像長崎に蓮囲池
春塵にマスクゴーグル怪人相仲 安
霾や偏西風に乗りいにしえも弁 慶
傷多し思ひ出詰る古き雛仲 安
旅心なほ止みがたく西行忌游 悦
亡き母と夢で語らふ彼岸かな弁 慶
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霾らす国の横綱塩をふる貞 風
波入の磯穏やかに彼岸前隆 一
白雪に映える紺青ニコライ堂三 甫
川べりにぽつりぽつりと蕗のとう啓 窓
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<互選高点句・特選句より>
5点 黄砂舞ふ長江の空ひとつづき ☆☆☆☆蓮囲池
4点 もののふに花の心ぞ西行忌 修 人
4点 変はる町変はらぬ老舗彼岸かな  修 人
3点 いきなりの雪も花かと西行忌 如 雨
3点 暮れなづむ仏舎利塔や霾れり 修 人
2点 狐狸庵の神父の沈黙絵踏かな 如 雨
2点 曲水や歳時記めくり独り酒 修 人
1点 巡錫の秩父札所や西行忌 蓮囲池

(1,2点句は互選特選となった句のみ載せています。)

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
かんばせの細きまなじり古ひひな
バテレンの地の果てに遭ふ絵踏かな
展覧の作家の遺書や涅槃西風
霾や唐天竺も指呼の間
ベランダに紅白咲かせ花苺


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俵ねずみ


第16回句会

2008年1月25日(金)  於 :学士会館
兼 題:嫁が君、新年雑詠、当季雑詠

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。

!! 今回から新会員奥山 游悦さんが加わりました!!


壁の穴何れの膳か嫁が君隆一
<主宰評> 嫁が君という半ば空想的な季語を、壁の穴の向うに現実の舞台があるかのように提示した。
猿曳きの人集めたり山の上俊知
<主宰評> 参考:猿曳きに人集ひをり山の上 ではいかが?
町駅伝年賀々々の競技場貞風
<主宰評> 「町駅伝」という状況設定がよい。
飛び跳ねる孫の手を引き初詣啓窓
<主宰評> 神経を集中させて孫の相手をしている様子がよくわかる。爺さんは叱らないので、好かれるのだ。
年棚の古里の神札ふだ古りにけり如雨
<主宰評> 一句にはやや定型どおりの古さはあるが、ふるさとの思ひ出とは、まあこんなところか。
すれ違ふ破魔矢の鈴や肩ぐるま―〃―
<主宰評> カメラアングルの上手い写真家を見るようです。
嫁が君猫人形に一目散啓窓
<主宰評> 猫人形を使って、落語とか漫才をやれば笑いが取れそうです
塩の道辿りし鰤の雑煮かな修人
<主宰評> 雑煮の句であるが、ことにその具に使われている鰤が塩の道を通って運ばれて来たことに思いを致したのであろう。作者のふるさと信州が舞台の小説風俳句です。
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香合に姿を変へて嫁が君修人
往来の日向を騒ぐ初雀―〃―
息災の他は願はず初詣―〃―
人混みを怖れずに行く冬帽子 游悦
湯けむりの途切れし先の寒月夜 ―〃―
無為ながら至福のときぞ日向ぼこ―〃―
抜け道の幅いつぱいに冬の月 貞風
滑空をして遠ざかる落葉かな―〃―
雪虫や生まれはいずこどこへ行く―〃―
静寂の庭にひびきし初稽古仲安
獅子舞の囃を耳に昼寝かな―〃―
帰り入る関東平野寒夕焼隆一
寒紅や滑り支度の宿出口―〃―
配達の少年照れる御慶かな如雨
胡座逃る猫の欠伸や初茜―〃―
激動の年のシンボル嫁が君 弁慶
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新年に輝く富士に手を合わせ三甫
柚子の湯に浸りて聞きし雨の音幸風
鶴見川白き息吐く散歩人興山
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<互選高点句・特選句より>
4点 仮名のねの丸く大きく賀状来る  ☆☆谿聲
4点 睥睨の嘴猛々し初鴉  ―〃―
4点 激動の年のシンボル嫁が君 弁慶
4点 息災の他は願はず初詣修人
3点 獅子舞の囃を耳に昼寝かな仲安
2点 初春や故郷の山凛として  ―〃―
2点 抜け道の幅いつぱいに冬の月  貞風
2点 湯けむりの途切れし先の寒月夜 游悦
1点 人混みを怖れずに行く冬帽子  ―〃―
1点 温暖化蝉氷さへ今はなく 三甫
1点 幾百のせいの声聞く賀状かな 如雨 
 

(1,2点句は互選特選となったのみ載せています。)

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
一羽翔ちいつせいに翔ち初雀
睥睨のはし猛々し初鴉
仮名のの丸く大きく賀状来る


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もみじ


第15回句会

2007年11月21日(水)  於 :学士会館
兼 題:赤い羽根、新米、添水そうづ、神の留守、もず

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。

嫁に出すごとく新米送り出す蓮囲池
<主宰評> 消費者サイドに新米の句は多いが、これは生産農家の立場からの改まった気持ちを表す作品である。
夕星ゆうずつや茶寮の庭に添水鳴る  修人 
<主宰評> 夕星=宵の明星。長庚。兼題の添水を良く詠み込んで舞台装置、道具立てもうまくできている。
神の留守出雲駅伝神ばかり貞風
<主宰評> 神無月は、出雲の国だけは神有月となるので、出雲駅伝は神ばかりの大会という。常識よりも意表を突く詠み方が成功した。

添水。松本貞風氏撮影
 < 添 水 >
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瑞々し新米の味国の味隆一
神通川鳶の神楽か神の留守―〃―
憂鬱の境一声鵙来たり―〃―
鵙日和警策発止坐禅会修人
デパ地下は常の賑はい神の留守―〃―
蕎麦屋にて杯をかさねる神の留守俊知
神宮の森を切り裂き鵙の声―〃―
入院の母の背痛む冬の鵙  ☆☆ 如雨
坂下に長き影消ゆ秋夕焼―〃―
栗飯や二度のお替り児の如し―〃―
旅行書に挿まれ三年赤い羽根  ―〃―
鵙鳴けば一丁目の空突き抜ける蓮囲池
夕闇の迫りし街に鵙せはし仲安
神の留守にもかかわらず神頼み―〃―
狛犬に見守りまかせ神の留守 弁慶
剪定の終りし庭に添水鳴る―〃―
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丹沢が夕焼に映える七五三 三甫
茜空ねぐら求めし鵙の声興山
秋の日に桜の花が楚々と咲き啓窓

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<互選高点句・特選句より>
5点 旅行書に挿まれ三年赤い羽根 ☆如雨
4点 夕星や茶寮の庭に添水鳴る ☆修人
3点 入院の母の背痛む冬の鵙  ☆☆如雨
3点 狛犬に見守りまかせ神の留守 ☆弁慶
2点 秋深し来し方道を思いつつ 仲安
2点 鹿威し夜は音やむ町家かな 如雨
2点 大川へもみじ浮かべて神田川 俊知
2点 わが庵の神も発ちしか風騒ぐ 谿聲
2点 鵙日和警策発止坐禅会修人
2点 秋の日に桜の花が楚々と咲き啓窓
2点 茜空ねぐら求めし鵙の声興山
2点 糸瓜棚片付け終えし神の留守俊知
1点 改装の庭に僧都のひそみをり 隆一

(1点句は互選特選となったのみ載せています。)


上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)
互選1点については特選票があった句(既掲句を除く)のみ載せています。


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
雄心おごころの益荒男立てと鵙高音
わが庵の神も発ちしか風騒ぐ
買出しはいざ魚沼へ今年米
 

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すすき


第14回句会

2007年9月28日(金)  於 :学士会館
兼 題:稲妻、残暑、夜食、西鶴忌、芒

'07年8月5日開催の『櫻草』同人会総会で、武蔵弁慶さんが同人に推挙されました。

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。

句の一つ出来ず暮れゆく西鶴忌隆一
<主宰評> 井原西鶴は俳諧に浮世草子に大変名作をもってならしたものだ。それに引きかえ四苦八苦して苦吟している自分の哀れな事よという諧謔性が面白い。
遠祖とほおやも通りし畦や曼珠沙華  如雨 
<主宰評> 「生きかはり死にかはりして打つ田かな」の鬼城句を思い出す。
書出しの文決めかねつ秋暑し―〃―
<主宰評> 真夏の熱気も辛いが大気がゆるんでから又ぶり返す残暑は、手紙の書き出し文にも気力を振り絞らなくてはその気になれないものだ。
稲妻におののき思ふ9・11仲安
<主宰評> まさに現代を注視して作句している。「9・11」 の表現により、何も言わずに多くのことを語っている。 稲妻の季語の使い方が象徴的でうまい。
門火焚く父若きまま帰しけり蓮囲池
鬼芒浄瑠璃坂の死闘跡俊知
--------------------
稲光夜空裂きわけいずこへか三甫
土濡るるほどには降らず秋の蝶如雨
古座敷大の字となる残暑かな ☆☆修人
外風呂に入りてひとりの残暑かな  弁慶
稲妻に花街しばし音の絶え俊知
敬老といふ日の暑さ土渇く隆一
微風さえ捉へてみせる芒かな  貞風
花芒夕日に礼を言ふごとく  如雨
そつと置く夜食は母のぬくもりを蓮囲池
--------------------
芒野に月が輝き犬走る啓窓
----------------------------------
<互選高点句・特選句より>
5点 古座敷大の字となる残暑かな ☆☆修人
5点 門火焚く父若きまま帰しけり蓮囲池
3点 芒分け四界を得たり峠道  蓮囲池
3点 川舟や祖父の通勤花芒 隆一
2点 土濡るるほどには降らず秋の蝶如雨
2点 夜食などなかりし頃の受験生 隆一
2点 書出しの文決めかねつ秋暑し如雨
2点 花芒夕日に礼を言ふごとく 如雨
2点 助手席に頬火照らせて秋暑し谿聲
2点 そつと置く夜食は母のぬくもりを蓮囲池
2点 風に揺れ風のみ揺れるすすきかな弁慶
1点 二人旅仙石原に尾花みち  仲安
1点 多捨多作佳き句残さん西鶴忌 修人

(1点句は互選特選となったのみ載せています。)


上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
なほ流行る人情ものや西鶴忌
振り仰ぐ大和の空や稲光




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ほおずき


第13回句会

2007年7月27日(金)  於 :学士会館
兼 題:半夏生、夕立、団扇、心太ところてん水中りみずあたり

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。


!! 今回から新会員高橋 啓窓さんが加わりました!!


夏座敷敷居の上に猫眠る如雨
<主宰評> 猫や犬は、家の中の涼しい所や暖かい所を、本当によく知っている。
半夏生竹馬の友と雑魚寝して弁慶
絵団扇や八尾の風を胸裡まで隆一
尻つぽ切り箸を逃げけり心太如雨
原句‥‥尻つぽ切り箸を逃げたり心太
結願のお礼参りや心太蓮囲池
--------------------
夕立に廣重生野を思ひけり 弁慶
鰻屋の味を引き出す團扇かな―〃―
朝市に旬を拾ひつ半夏生 蓮囲池
水中り旅寝の枕離れ得ず―〃―
団扇止め長考に入る勝負どこ ―〃―
どくだみや一輪挿しの花明かり貞風
戦いは団扇で挑む甲子園―〃―
原爆忌妖しく点る骨の影―〃―
雲淡し羽後の車窓に合歓の花如雨
坊守の茶菓のもてなし夕立晴隆一
夾竹桃雲の輪郭確かなり如雨
夕立に軒先借りて傘借りぬ仲安
何事もなく暮れにけり心太 修人
--------------------
洗濯を干して見上ぐる夕立雲興山
渓流の光に映えるヤマベかな啓窓
夕立に浴衣の裾をたくしあげ三甫
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<互選高点句・特選句より>
5点  戦ある世を忘れゐて合歓の花  ☆☆☆ 谿聲
4点 退院のすぐ転た寝の半夏生 ―〃―
3点  鰻屋の味を引き出す團扇かな 弁慶
2点 何事もなく暮れにけり心太 修人
2点  団扇止め長考に入る勝負どこ 蓮囲池
2点 朝市に旬を拾ひつ半夏生 ―〃―
2点 夕立に廣重生野を思ひけり 弁慶
2点 団扇手に踊りの輪に入るわれべたち仲安
2点 雨垂れのリズム早まる半夏生修人
2点 坊守の茶菓のもてなし夕立晴 隆一
2点 心太すする口元愛らしい 三甫
2点 夾竹桃雲の輪郭確かなり 如雨
2点 老夫婦語らひつきて心太 仲安
2点 庭先は進化の途中半夏生 貞風
2点 戦いは団扇で挑む甲子園 貞風
2点 夕立に浴衣の裾をたくしあげ 三甫

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
戦ある世を忘れゐて合歓の花
退院のすぐ転た寝の半夏生
サングラス似合ふ町並み軽井沢



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あやめ


第12回句会

2007年5月25日(金)  於 :鬼城草庵
兼 題:春の海、山葵(漬)、更衣、新茶

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。

蜃気楼カメラ居並ぶ春の海貞風
<主宰評> 蜃気楼を狙うカメラを通して、春の海に臨場感が溢れている。
平穏の日々の明け暮れ立葵蓮囲池
<主宰評> 立葵には優雅な非日常性が隠されているようだ。
マネキンの一足先に更衣―〃―
<主宰評> マネキンを利用するお店などでは、更衣の時期は「一足先に」なのでしょう。
息災の日をいつくしむ新茶の香―〃―
<主宰評> 平凡な息災の日々に、新茶を酌めば心は即ちほのぼのとなる。
江の電の家並抜けて春の海修人
<主宰評> 江ノ電に沿線を行けば、期待をしている乗客には詩になる風景が現れそうです。
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山葵田や鉄条網のる聖地 青郎 
青梅の三つほども落ち落着かず如雨
新人の声落着きぬ五月尽―〃―
草庵の薄暗がりや額の花郁子
湧水の命を宿す山葵かな弁慶
松を剪る音と新茶を楽しめり隆一
水音を辿り来れば山葵生ふ 郁子
更衣天の香具山思ひけり弁慶
生業のほろ苦きこと新茶噛む 貞風
春の日や子の靴音に覚えあり ―〃―
風孕む九条守れ鯉幟修人
病癒えふるさと旅す花山葵 ☆☆―〃―
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更衣今は不要の自由人竹風
釣り糸にひたすら見入る春の海興山
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<互選高点句・特選句より>
3点 山葵田や鉄条網の守る聖地 青郎
3点 平穏の日々の明け暮れ立葵  蓮囲池
3点 息災の日をいつくしむ新茶の香 ―〃―
3点 巡礼の憩う瀬戸内春の海   俊知
2点 夕餉には摘み来し三ツ葉ひとり酒 青郎
2点 春の池水輪とろりと拡がりぬ 隆一
1点 愛蔵の竣介絵売り新茶飲む 弁慶
1点 大輪の芍薬咲きぬ更衣 幸風

(1,2点句は互選特選となったのみ載せています。)

 

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。 (☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟 村 上 谿 聲
島蔭に落暉らっき消えゆく春の海
梅雨近しやらねばならぬこと数多



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さくら


第11回句会

2007年3月23日(金)  於 :学士会館
兼 題: 特になく当季雑詠のみ。

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。

席上主宰の講評があった句です(ほぼ清記順)。
仮作成の記録には主宰特選評の記載は未済です(結局作成されませんでした)。

!! 今回から新会員三浦 三甫さんが加わりました!!


浜離宮梅に誘われ都鳥俊知
春宵や清水焼の猪口に酌む如雨
雪解の水のささやくひとりごと弁慶
花三分尊徳ひとり薪負う貞風
つちふるや五重塔の黄昏るる修人
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友が逝き春一番が荒れ狂う三甫
石楠花の紅解けゆく旅の宿 遥女
歳時記をポトリ落せり目借時―〃―
豪商の白壁朽ちて春の雨 弁慶
磐梯の真白き峰や春の風―〃―
しばらくは心静かに花李修人
風通る山門脇に桜草―〃―
春爛漫ふと思い出す父の笑み幸風
春風に小蜘蛛が飛んで銀の糸 ―〃―
春の陽や何事もなし子規の墓俊知
朝寝していまだ覚めざる猫と居る如雨
人形の髪漆黒に桃の冷え―〃―
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<互選高点句・特選句より>
5点 春めくやはだらにゆるむ浅間山 ☆☆☆谿聲
4点 豪商の白壁朽ちて春の雨 弁慶
4点 彩雲の西へ隊列鳥帰る 修人
4点 人形の髪漆黒に桃の冷え如雨
3点 残り鴨汝には汝の道あらん ☆☆☆谿聲
3点 取り出すは去年の埃りの種袋 ―〃―
3点 野萱草土手に芽吹きて勢揃ひ ―〃―
3点 雪解の水のささやくひとりごと 弁慶
3点 白薔薇の十四五本へひとり言遥女
2点 江戸前の凪海苔舟の日和あり 蓮囲池
1点 白梅下特年兵の殉国碑 俊知
 

(1,2点句は互選特選となったのみ載せています。)

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
春めくやはだらにゆるむ浅間山
残り鴨汝には汝の道あらん



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わかたけ


第10回句会

2007年1月26日(金)  於 :学士会館
兼題:息白し・漱石忌・大晦日、当季雑詠

谿 聲 主 宰 選。 上段が特選、中段が佳作です。

列車待つ不動の駅員息白し俊知
<主宰評> ローカル線の通過駅などで、ただ見送るだけの職務で直立している駅員など、ポッポ屋を連想する。
百歳を重ねし母と大晦日幸風
<主宰評> 一寸やそっとのことでは体験できない大晦日の幸せな家族の情景です。
漱石忌素知らぬ顔の猫ぎる 如雨  
<主宰評> 漱石といえば名前のない猫がシンボル。この猫は知らないだろうが、今日は漱石の忌日なのだよ。
愚管抄先まだ厚し寒日和 隆一
<主宰評> 勉強家の隆一氏をもってしても、名だたる愚管抄を読み込むのは溜息が漏れそうな宿題のようです。
蝋梅や神戸の悪夢醒めやらず仲安
<主宰評> 当事者にはテレビなどで見る追悼記事の何百倍の恐ろしさ、無念さが残ることでしょう。蝋梅が妙。
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知らせ受け急く足重く息白し仲安
賀状来ぬ友の安否を気遣いし-〃-
灯の下を息白き人歩の合ひて如雨
顧みず繰りごと言はず大晦日-〃-
初詣天狗うちはと下山かな修人
浩然の気保ちゆかん漱石忌 -〃-
こう三羽見詰る我も息白し☆☆隆一  
谷中路を草臥れたれど七福神-〃-
文明の危うさ想う漱石忌-〃-
息白し殺気立つ輪にせりの声 ☆☆蓮囲池
遠耳の母も輪に居る大晦日 -〃-
小人の見上げる巨石漱石忌 俊知
初不動比翼が塚へ涙雨-〃-
初えんまヤットコ隅へ閻魔堂-〃-
鳥待ちて蕾ふくらむ庭の梅興山
気がつけば老老介護の七日粥幸風
大晦日大地に染みる時の音貞風
オホーツク羽ばたき降りて息白し 武司
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こがらしや又も友逝くさびしさよ竹風
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<互選高点句・特選句よ り>
5点 息白し殺気立つ輪にせりの声 蓮囲池 
4点 顧みず繰りごと言はず大晦日 如雨
4点 初詣天狗うちはと下山かな 修人
3点 愚管抄先まだ厚し寒日和 隆一
3点 豁然と富士現はるる息白し 修人
3点 灯の下を息白き人歩の合ひて 如雨
3点 百歳を重ねし母と大晦日 幸風
3点 病身の妻と鐘聞く大晦日 仲安
2点 隠居老思いは無色屠蘇旨し 幸風
1点 松代は中将の墓冠雪 隆一
 

(1,2点句は互選特選となったのみ載せています。)

上段が特選、次段が佳作、下段が互選句です。
印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)


  主  宰  吟   村 上 谿 聲
こはごはと安否問ひけり初電話
犬好きは犬のこと書く漱石忌



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「句 会 会 報」(谿聲主宰作成)は こちらの「開催記録」からご覧になれます。('08.02.04)





<  会      員  >

谿 聲けいせい村上 幹也
(主宰)
蓮囲池れんいち鈴木 錬一
幸 風こうふう小林 幸司 隆 一りゅういち平山 隆一
三鬼堂さんきどう: 
(俊知改メ)
合田 俊知
(「櫻草」同人)
貞 風ていふう松本 貞
仲 安ちゅうあん中野 安弘 弁 慶べんけい武蔵 好彦
如 雨じょう岩渕 上 武 司たけし内山 武司
修 人しゅうじん小川 修 竹 風ちくふう加賀美 一
興 山こうざん伊東 興三 青 郎せいろう坂口 二郎
(客人)(「櫻草」同人)
遥 女ようじょ小松 洋子
(客人)
三 甫さんぽ三浦 器允
郁 子いくこ村上 郁子
(客人)(「櫻草」同人)
啓 窓けいそう高橋 啓悟 
游 悦ゆうえつ奥山 興悦 ・・・・



(掲 出 順)

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