宮城野萩の校章

東北大鬼城句会例会記録Ⅷ

村 上 谿 聲 主 宰 の 同 窓 句 会 例 会

第70回('17/1)から第78回('18/5)までの例会記録です。

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例会記録Ⅵ第52~60回('14/ 1~'15/ 5)
例会記録ⅩⅡ第111~………回('24/ 1~……)

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花菖蒲


第78回句会

2018年5月25日(金)  於 :学士会館
兼 題:惜春、緑雨、鵜飼、花みづき、幸(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<大立目茂睡 選>
幸せを願ひはためく鯉幟 弁慶
面倒なことを蹴散らし青嵐如雨
長湯して富士を眺めて春惜しむ游悦
多摩川の水面掠めて夏燕柏葉
塾終へし子に薄明り花水木如雨

<奥山游悦 選>
一色の緑雨に染まる大地かな 貞風
黄昏にひとつ揺蕩(たゆと)ふ鵜飼舟玄舟
多摩川の水面掠めて夏燕柏葉
塾終へし子に薄明り花水木如雨
知らぬ間に物干濡らす緑雨かな玄舟

<平山越庵 選>
幸の名を呼ぶ友のあり春惜しむ  茂睡
人の世の縮図を見たり鵜飼舟茂睡
無季容認闘士兜太の春惜しむ弁慶
知らぬ間に物干濡らす緑雨かな玄舟
花水木二段三段空に咲く柏葉

<白石玄舟 選>
透きとほる風引きつれて緑雨かな  如雨
篝火に()ぜて傾ぐや鵜飼舟游悦
鎌倉に五山巡りて春惜しむ柏葉
この想ひ受くる人なく花みづき茂睡
お辞儀して急ぐ下校子夏の雨如雨

<三浦三甫 選>
透きとほる風引きつれて緑雨かな 如雨
人の世の縮図を見たり鵜飼舟茂睡
鎌倉に五山巡りて春惜しむ柏葉
多摩川の水面掠めて夏燕柏葉
お辞儀して急ぐ下校子夏の雨如雨

<岩渕如雨 選>
幸せを願ひはためく鯉幟 弁慶
護国寺や緑雨に光る堂庇(どうびさし)游悦
鎌倉に五山巡りて春惜しむ柏葉
幸不幸なひまぜにして夏芝居游悦
この想ひ受くる人なく花みづき茂睡

<松本貞風 選>
玄関に異国を醸す花水木 越庵
護国寺や緑雨に光る堂庇游悦
面倒なことを蹴散らし青嵐如雨
塾終へし子に薄明り花水木如雨
幸不幸なひまぜにして夏芝居游悦

<深谷柏葉 選>
透きとほる風引きつれて緑雨かな 如雨
幸不幸なひまぜにして夏芝居游悦
かがり火に哀愁の影鵜飼かな三甫
無季容認闘士兜太の春惜しむ弁慶
雷光を宿し砕ける緑雨かな茂睡 -->

<武蔵弁慶 選>
若竹に思ひを重ね祈る幸 玄舟
篝火に爆ぜて傾ぐや鵜飼舟游悦
黄昏にひとつ揺蕩ふ鵜飼舟玄舟
人の世の縮図を見たり鵜飼舟茂睡
幸不幸なひまぜにして夏芝居游悦

< 鈴木蓮囲池 場外選
幸せを願ひはためく鯉幟 弁慶
惜春の遠き思ひや窓に凭る 茂睡
幸不幸なひまぜにして夏芝居 游悦
春惜しむ竹馬の友の鄙頼便り玄舟
輩のまた一人逝く緑雨かな柏葉
篝火の爆ぜて傾ぐや鵜飼船游悦
鎌倉に五山巡りて春惜しむ柏葉
かがり火に哀愁の影鵜飼かな三甫
多摩川の水面掠めて夏燕柏葉

< 近  詠 >
紫陽花の紫を研ぐ今朝の露蓮囲池
郭公を枕辺に聞く鄙暮らし―〃―
コンビニにコーヒーの香満つ梅雨晴間―〃―


<高点句再掲>
4点 幸不幸なひまぜにして夏芝居游悦
3点 透きとほる風引きつれて緑雨かな ☆☆☆如雨
3点 人の世の縮図を見たり鵜飼舟茂睡
3点 多摩川の水面掠めて夏燕柏葉
3点 鎌倉に五山巡りて春惜しむ柏葉
3点 塾終へし子に薄明り花水木如雨
2点 幸せを願ひはためく鯉幟 ☆☆弁慶
    他の2点句 ‥‥ 8句
    1 点 句 ‥‥ 8句(うち特選4)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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さくらイラスト

第77回句会

2018年3月23日(金)  於 :学士会館
兼 題:斑雪(はだれ(はだら))、お水送り、花衣、蛍烏賊、忘(要季語)。当季雑詠


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<奥山游悦 選>
深酒に花衣ごと寝入りけり 玄舟
斑雪(はだれ)道少し遅るる下級生玄舟
旅の夜の御膳の隅に蛍烏賊玄舟
ほたるいか群れて身を投ぐおらが浜越庵
誰がために花衣して同期会越庵

<平山越庵 選>
深酒に花衣ごと寝入りけり 玄舟
蛍烏賊箸より滑り落ちにけり茂睡
忘却は人の性なり山笑ふ弁慶
若狭にはお水送りの清夜かな柏葉
青萌ゆる畝の片方(かたへ)の斑雪茂睡

<白石玄舟 選>
帯解けば一片(ひとひら)散りぬ花衣 柏葉
蛍烏賊煌めくままを掬ひけり游悦
欄間彫る音に遊ぶか斑雪越庵
奥能登や棚田にいくつ朧月柏葉
忘却は人の性なり山笑ふ弁慶

<三浦三甫 選>
兼題に応ふ友亡き水送り 越庵
斑雪(はだれ)道少し遅るる下級生玄舟
わが妻は無縁の世界花衣弁慶
記念日を忘れ気不味(きまづ)き春の宵玄舟
光りつつ海を彩る蛍烏賊弁慶

<深谷柏葉 選>
火の粉飛ぶ若狭鵜の瀬の水送り 玄舟
蛍烏賊煌めくままを掬ひけり游悦
記念日を忘れ気不味(きまづ)き春の宵玄舟
誰がために花衣して同期会越庵
草花の目覚め妨ぐ春の雪三甫

<武蔵弁慶 選>
憂きことも杖も忘れて春の山 游悦
蛍烏賊煌めくままを掬ひけり游悦
欄間彫る音に遊ぶか斑雪越庵
忘却の彼方に開く春の夢三甫
北の宿銘々皿に蛍烏賊三甫

<大立目茂睡 選>
斑雪(はだれ)道少し遅るる下級生 玄舟
蛍烏賊煌めくままを掬ひけり游悦
消残る命の限り斑雪弁慶
憂きことも杖も忘れて春の山游悦
谷を行くトロッコ列車斑雪(はだれ)游悦

< 鈴木蓮囲池 場外選>
斑雪(はだれ)道少し遅るる下級生 玄舟
蛍烏賊煌めくままを掬ひけり游悦
一山の萌黄色して多摩芽吹く柏葉
憂きことも杖も忘れて春の山游悦
青萌ゆる畝の片方(かたへ)の斑雪茂睡

< 近  詠 >

  小林幸風君を悼む

青嵐幸風何故に逝き急ぐ蓮囲池



<高点句再掲>
4点 蛍烏賊煌めくままを掬ひけり游悦
3点 斑雪(はだれ)道少し遅るる下級生 玄舟
2点 深酒に花衣ごと寝入りけり ☆☆玄舟
2点 憂きことも杖も忘れて春の山 游悦
    他の2点句 ‥‥04句
    1 点 句 ‥‥16句(うち特選3句)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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戌新年



第76回句会

2018年1月26日(金)  於 :学士会館
兼 題:初明り、春着、初鴉、寒林、音(要季語)。当季雑詠


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<平山越庵 選>
離陸待つ窓それぞれの初明り 柏葉
生ゴミは四日からだよ初鴉貞風
淑やかも三日限りの春着かな玄舟
雪も音も吸ひ込みて池静まれり茂睡
寒林に貼りついてゐる星座かな游悦

<白石玄舟 選>
離陸待つ窓それぞれの初明り 柏葉
甲高き春着の群れに託す明日越庵
堰越える水煌めきて春の音柏葉
寒林に芽吹きの兆し聞こえけり柏葉
江の島やわれる白波初明り三甫

<三浦三甫 選>
聖廟にやさしき声の初鴉 游悦
幼児の春着に幸を祈りたり茂睡
寒林に貼りついてゐる星座かな游悦
寒林に芽吹きの兆し聞こえけり柏葉
当選の遂に途切れし賀状かな貞風

<松本貞風 選>
離陸待つ窓それぞれの初明り 柏葉
西郷の黑き(まなこ)や初明り游悦
幼子の春着に燥ぐ鄙の里幸風
寒林の静寂(しじま)を破る噴火音游悦
寒林に貼りついてゐる星座かな游悦

<深谷柏葉 選>
尺八の音色埋める夜の雪 玄舟
新たなる心を醸す春着かな弁慶
聖廟にやさしき声の初鴉游悦
雪も音も吸ひ込みて池静まれり茂睡
寒林や梢に残る(とや)ひとつ茂睡

<武蔵弁慶 選>
寒林の静寂(しじま)を破る噴火音 游悦
その姿見直したるや初鴉幸風
寒の内川面に響く触れ太鼓三甫
聖廟にやさしき声の初鴉游悦
雪も音も吸ひ込みて池静まれり茂睡

<大立目茂睡 選>
寒林に平成のこと残し置き 越庵
離陸待つ窓それぞれの初明り柏葉
当選の遂に途切れし賀状かな貞風
寒林に貼りついてゐる星座かな游悦
初明り郷里間近の夜行バス玄舟

<奥山游悦 選>
初鴉吉兆告げる声音かな 柏葉
離陸待つ窓それぞれの初明り柏葉
堰越える水煌めきて春の音柏葉
淑やかも三日限りの春着かな玄舟
荒磯の怒涛に耐へて波の華柏葉


< 鈴木蓮囲池 場外選>
生ゴミは四日からだよ初鴉貞風
離陸待つ窓それぞれの初明り柏葉
甲高き春着の群れに託す明日越庵
堰越える水煌めきて春の音柏葉
淑やかも三日限りの春着かな玄舟
雪も音も吸ひ込みて池静まれり茂睡
寒林に芽吹きの兆し聞こえけり柏葉
尺八の音色埋める夜の雪玄舟
温もりの腹の底へと七日粥幸風
初詣り延寿の鐘をひと撞きす三甫
荒磯の怒涛に耐へて波の華柏葉
寒林に貼りついてゐる星座かな游悦

< 近  詠 >

  老人ホームの春

初春や八十路の旅の何処まで蓮囲池
皺走る貌取りすます初鏡―〃―
独りお節団欒遠くなりにけり―〃―
初夢を見ずに目覚める零下五度―〃―
遠電話孫の声聞く三日かな―〃―
土の香を恋しくなりて五日過ぎ―〃―
健やかなことが嬉しく七日粥―〃―



<高点句再掲>
5点 離陸待つ窓それぞれの初明り☆☆☆柏葉
4点 寒林に貼りついてゐる星座かな游悦
3点 聖廟にやさしき声の初鴉 游悦
3点 雪も音も吸ひ込みて池静まれり茂睡
2点 寒林の静寂(しじま)を破る噴火音 游悦
    他の2点句 ‥‥ 4句
    1 点 句 ‥‥15句(うち特選3)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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千両2

第75回句会

2017年11月24日(金)  於 :学士会館
兼 題:冬近し、灯火親し(む)、南天の実、鮭、湖(要季語)。当季雑詠

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<白石玄舟 選>
和歌の碑を辿る湖畔や初紅葉 貞風
実南天床の間に挿し喜寿の宴游悦
湯上りの浴衣に忍ぶ夜寒かな柏葉
峰の雪逆さ映えする湖水かな幸風
秋高し湖渉る風夢光る茂睡

<三浦三甫 選>
秋高し湖渉る風夢光る 茂睡
実南天床の間に挿し喜寿の宴游悦
軒先に積まれし薪冬近し游悦
逸れ鳥遠き旅路の冬の湖玄舟

<松本貞風 選>
灯火親し般若波羅蜜多口ずさぶ 柏葉
春の鮎夏の山女や鮭還る幸風
戦後史を灯火親しむなお重し越庵
乳露わ観音像に実南天越庵
訃報とは常に唐突寒夕焼柏葉

<深谷柏葉 選>
峰の雪逆さ映えする湖水かな 幸風
断捨離に残すもの無く冬近し茂睡
実南天床の間に挿し喜寿の宴游悦
畦道の木綿の裾に冬陽さす三甫
上り鮭旅路の涯の吾に似て玄舟

<武蔵弁慶 選>
線量の更に高きへ鮭遡上 貞風
戦後史を灯火親しむなお重し越庵
和歌の碑を辿る湖畔や初紅葉貞風
秋寒し湖底に眠る毬藻かな游悦
犇めきて川遡る鮭軍団游悦

<大立目茂睡 選>
好日や手早く干しぬ冬隣 幸風
廃屋の南天の実に雨しとど玄舟
冬近し湯殿に揺れる白き影玄舟
熱燗や秩父詣ではまだ半ば越庵
灯火親し父の書込み謡本(うたひぼん)游悦

<奥山游悦 選>
実南天寝覚の夜半に煌きぬ 幸風
ひとり来て燈火親しむ鄙の宿玄舟
風吹いて湖面に黄色秋浮かぶ三甫
線量の更に高きへ鮭遡上貞風
熱燗や秩父詣ではまだ半ば越庵

<平山越庵 選>
線量の更に高きへ鮭遡上 貞風
夕べ聞く拍子木音(おと)や冬近し貞風
峰の雪逆さ映えする湖水かな幸風
実南天寝覚の夜半に煌きぬ幸風
灯火親し父の書込み謡本(うたひぼん)游悦

< 鈴木蓮囲池 場外選>
夕べ聞く拍子木音や冬近し 貞風
熱燗や秩父詣ではまだ半 越庵
訃報とは常に唐突寒夕焼 柏葉
ひとり来て燈火親しむ鄙の宿玄舟
峰の雪逆さ映えする湖水かな幸風
和歌の碑を辿る湖畔や初紅葉貞風
燈下親し般若波羅蜜多口ずさぶ柏葉

< 近  詠 >
冬近し半てんを出し母想う蓮囲池
南天や頬赤らめて園児の輪―〃―
犯人を追いつめて行く秋灯し―〃―
鮭還える北方の島いつ還る―〃―



<高点句再掲>
3点 線量の更に高きへ鮭遡上 ☆☆貞風
3点 峰の雪逆さ映えする湖水かな 幸風
3点 実南天床の間に挿し喜寿の宴 游悦
2点 実南天寝覚めの夜半に煌めきぬ 幸風
2点 和歌の碑を辿る湖畔や初紅葉 貞風
2点 秋高し湖渉る風夢光る 茂睡
    他の2点句 ‥‥ 3句
    1 点 句 ‥‥18句(うち特選2)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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案山子


第74回句会

2017年9月22日(金)  於 :学士会館
兼 題:初秋、稲刈、椋鳥、木犀、「犬」(要季語)。当季雑詠。

☆ お気づきの点がありましたらご連絡ください ☆

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<小林幸風 選>
正座して犬は見ている大花火 貞風
稲刈や弥生の霊の籠るここ越庵
諍ひし朝木犀の香に遇へり茂睡
稲刈や夕日を受けて湧く笑顔玄舟
夕焼けや椋鳥の群一回り三甫

<三浦三甫 選>
幼子の伝ひ歩きや秋初め 玄舟
木犀の香りが招く裏小路玄舟
諍ひし朝木犀の香に遇へり茂睡
犬連れし乙女の肩に秋茜玄舟
弾道弾初秋の天の意表突く貞風

<松本貞風 選>
稲刈や都会の匂ひ携へて 玄舟
流星や満天の星一つ消ゆ柏葉
幼子の伝ひ歩きや秋初め玄舟
稲刈も機械に委ねコカ・コーラ三甫
秋彼岸異教の妹は何処ならむ茂睡

<深谷柏葉 選>
木漏れ日の杉木立かな秋の蝶 幸風
乱世を仰ぐ桟敷や秋相撲幸風
初秋や介護の建屋灯の点る弁慶
照明の消えて椋鳥鳴き止みぬ貞風
異常雨や平年作の稲を刈る越庵

<武蔵弁慶 選>
椋鳥は智恵子の空に散りにけり 茂睡
乱世を仰ぐ桟敷や秋相撲幸風
微笑んでお城の稲を刈る陛下貞風
カッシーニお役目終えて虫時雨越庵
秋彼岸異教の妹は何処ならむ茂睡

<大立目茂睡 選>
正座して犬は見ている大花火 貞風
乱世を仰ぐ桟敷や秋相撲幸風
稲刈を終へて母屋に人満ちぬ游悦
照明の消えて椋鳥鳴き止みぬ貞風
木犀の闇ほろ酔ひの夢二かな游悦

<奥山游悦 選>
諍ひし朝木犀の香に遇へり 茂睡
幼子の伝ひ歩きや秋はじめ玄舟
初秋や介護の建屋灯の点る弁慶
犬連れし乙女の肩に秋茜玄舟
正座して犬は見ている大花火貞風

<平山越庵 選>
犬連れし乙女の肩に秋茜 玄舟
初秋や介護の建屋灯の点る弁慶
諍ひし朝木犀の香に遇へり茂睡
椋鳥は智恵子の空に散りにけり茂睡
稲刈も機械に委ねコカ・コーラ三甫

<白石玄舟 選>
諍ひし朝木犀の香に遇へり 茂睡
湖水透く初秋の風の白めきて游悦
木犀の闇ほろ酔ひの夢二かな游悦
台風も長寿になりぬ認知症茂睡
正座して犬は見ている大花火貞風

< 鈴木蓮囲池 場外選
稲刈や弥生の霊の籠るここ 越庵
幼子の伝ひ歩きや秋初め 玄舟
初秋や隅田の流れふれ太鼓 三甫
正座して犬は見ている大花火 貞風
蒼天の富士は黒々残暑かな幸風
吹く風の優しかりけり秋初め柏葉
木犀に吊るされている忘れ物貞風
初秋や介護の建屋灯の点る弁慶

< 近  詠 >
ぼた餅を妻に供えて秋彼岸蓮囲池
野の花に膝を屈する秋日和―〃―
秋桜真澄の空に笑み交わす―〃―
秋声の池泉に至る恵林寺庭―〃―
箒目にちり一つなし秋の声―〃―


<高点句再掲>
5点 諍ひし朝木犀の香に遇へり ☆☆茂睡
4点 正座して犬は見ている大花火 ☆☆貞風
3点 幼子の伝ひ歩きや秋初め 玄舟
3点 犬連れし乙女の肩に秋茜 玄舟
3点 乱世を仰ぐ桟敷や秋相撲幸風
3点 初秋や介護の建屋灯の点る弁慶
2点 椋鳥は智恵子の空に散りにけり 茂睡
    他の2点句 ‥‥ 4句
    1 点 句 ‥‥14句(うち特選2)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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風鈴1



第73回句会

2017年7月28日(金)  於 :学士会館
兼 題:日盛、風鈴、兜虫、茄子・とまと、「休」(要季語)。当季雑詠。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<三浦三甫 選>
不揃ひの朝採りトマトお裾分け 游悦
煩はしとて風鈴の舌を抜き茂睡
兜虫捕る子叫ぶ子駆け寄る子游悦
向日葵の皆俯いて昼休み貞風
一雨に洗はれし茄子艶めきて游悦

<松本貞風 選>
山の駅風鈴の中列車来る 柏葉
日の盛り逃げどころなき会葬者茂睡
明六つの森の土産は兜虫玄舟
庭先に一日ひとつの茄子の幸越庵
土用蒸し青春かける野球場三甫

<深谷柏葉 選>
日盛や遊覧船の白き澪 玄舟
明六つの森の土産は兜虫玄舟
トマト盗り心痛めし幼き日玄舟
日盛りや手際千両垣根刈り幸風
風鈴の風に硯の海閑か游悦

<武蔵弁慶 選>
兜虫捕る子叫ぶ子駆け寄る子 游悦
季に適ふ一山売りの茄子とまと茂睡
苔寺も滴る岩も閑かなり柏葉
日盛りや息を(ひそ)むる酒造蔵游悦
風鈴や登米(とよま)のひとの影ゆする越庵

<大立目茂睡 選>
日盛や水車は休むこと知らず 柏葉
少年の自転車登る日の盛弁慶
日盛りや息を(ひそ)むる酒造蔵游悦
山の駅風鈴の中列車来る柏葉
風鈴の風に硯の海閑か游悦

<奥山游悦 選>
日の盛り逃げどころなき会葬者 茂睡
日盛や野球少女はへこたれず貞風
向日葵の皆俯いて昼休み貞風
苔寺も滴る岩も閑かなり柏葉
風鈴やリーンリーンと鄙の寺幸風

<平山越庵 選>
日盛りや息を(ひそ)むる酒造蔵 游悦
冷水に茄子浮かびて紺の艶柏葉
明六つの森の土産は兜虫玄舟
うっちゃりの大技一番兜虫柏葉
風鈴の風に硯の海閑か游悦

<白石玄舟 選>
兜虫捕る子叫ぶ子駆け寄る子 游悦
日の盛り逃げどころなき会葬者茂睡
不揃ひの朝採りトマトお裾分け游悦
一雨に洗はれし茄子艶めきて游悦
風鈴の風に硯の海閑か游悦

<小林幸風 選>
女子アナのスキップ可笑しさくらんぼ  貞風
日の盛り逃げどころなき会葬者茂睡
黒備初陣如何に兜虫越庵
うっちゃりの大技一番兜虫柏葉
日盛や野球少女はへこたれず貞風

< 鈴木蓮囲池 場外選>
黒備初陣如何に兜虫 越庵
日盛や遊覧船の白き澪 玄舟
遠雷や雷神様は隣町 幸風
日盛や水車は休むこと知らず 柏葉
向日葵の皆俯いて昼休み 貞風
庭先に一日一つの茄子の幸越庵
明け六つの森の土産は兜虫玄舟
千年の古刹清しき若葉雨幸風
うっちゃりの大技一番兜虫柏葉
苔寺も滴る岩も閑かなり柏葉
影一つ日傘の男首都を行く貞風
季に適ふ一山売りの茄子とまと茂睡
風鈴の風に硯の海閑か游悦

< 近  詠 >
麦秋や棚田に浮ぶ稿帽子蓮囲池
遠蛙小早夜(さよ)の合唱届きけり―〃―
逝く人と新しき人土用波―〃―
空き(たな)に燕夫婦が帰省せり―〃―
父の日や祝う人なく傘寿なる―〃―



<高点句再掲>
4点 日の盛り逃げどころなき会葬者 茂睡
4点 風鈴の風に硯の海閑か 游悦
3点 兜虫捕る子叫ぶ子駆け寄る子 ☆☆游悦
3点 日盛りや息を潜むる酒造蔵 游悦
3点 明六つの森の土産は兜虫玄舟
2点 山の駅風鈴の中列車来る 柏葉
2点 不揃ひの朝採りトマトお裾分け 游悦
    他の2点句 ‥‥ 5句
    1 点 句 ‥‥14句(うち特選3)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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花菖蒲


第72回句会

2017年5月26日(金)  於 :学士会館
兼 題:夏きざす、冷酒、翡翠(かわせみ)、花菖蒲、「懐」(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<松本貞風 選>
湧水を(むす)ぶ幼児夏きざす 茂睡
四阿(あずまや)に雨の匂ひや花菖蒲游悦
角のある話を丸め冷し酒越庵
夏きざす幼児抱く白き腕玄舟
深山や懐深く南吹く弁慶

<深谷柏葉 選>
四阿(あずまや)に雨の匂ひや花菖蒲 游悦
酔ふほどに気宇は壮大冷し酒游悦
翡翠や額の中にて輝けり玄舟
角のある話を丸め冷し酒越庵
夏めくや英語飛び交ふ船下り游悦

<武蔵弁慶 選>
老鶯の囀りに入る道者道 幸風
卯月野や懐に入るあいの風柏葉
六十年安保を懐古桐の花游悦
ギヤマンで飲むべし辛口冷し酒茂睡
翡翠や余命短きカメラマン貞風

<大立目茂睡 選>
翡翠のツィと消えるや片思い 越庵
菖蒲湯や数ふる子等の大き声玄舟
花菖蒲群れなす乙女甲高し越庵
燕の子すずらん通り懐かしや三甫
蔦絡む百合の木全身緑かな貞風

<奥山游悦 選>
朝ぐもり雨滴纏ひし花菖蒲 柏葉
花菖蒲水面の雲を友として玄舟
湧水を(むす)ぶ幼児夏きざす茂睡
翡翠や川面に消えし神の技幸風
雨待ちてすっくと立てり花菖蒲茂睡

<平山越庵 選>
冷えたわとぽつり一言夏めきぬ 幸風
翡翠やクールジャパンの飛翔して茂睡
四阿(あずまや)に雨の匂ひや花菖蒲游悦
峠茶屋(はらわた)染みる冷し酒弁慶
卯月野や懐に入るあいの風柏葉

<白石玄舟 選>
花菖蒲群れなす乙女甲高し 越庵
酔ふほどに気宇は壮大冷し酒游悦
母立てる菖蒲湯入りし頃思ふ弁慶
翡翠や川面に消えし神の技幸風
夏めくや英語飛び交ふ船下り游悦

<小林幸風 選>
角のある話を丸め冷し酒 越庵
峠茶屋(はらわた)染みる冷し酒弁慶
酔ふほどに気宇は壮大冷し酒游悦
翡翠のツィと消えるや片思い越庵
四阿(あずまや)に雨の匂ひや花菖蒲游悦

<三浦三甫 選>
四阿(あずまや)に雨の匂ひや花菖蒲 游悦
花菖蒲水面の雲を友として玄舟
高貴ねと媼指差す桐の花越庵
翡翠や川面に消えし神の技幸風
傘を差す少女引き立つ花菖蒲貞風

< 鈴木蓮囲池 場外選
角のある話を丸め冷し酒 越庵
翡翠のツイと消えるや片思い 越庵
老鶯の囀りに入る道者道 幸風
高貴ねと媼指差す桐の花越庵
花菖蒲群れなす乙女甲高し越庵
花菖蒲水面の雲を友として玄舟
夏きざす幼児抱く白き腕玄舟
冷酒や富士山頂も雲の下幸風
老桜の深まる緑夏きざす柏葉
くつろげば眠気を誘ふ若葉風柏葉
傘を差す少女引き立つ花菖蒲貞風
深山や懐深く南吹く弁慶
湧水を掬ぶ幼児夏きざす茂睡
酔ふほどに気宇は壮大冷し酒游悦
四阿に雨の匂ひや花菖蒲游悦
六十年安保を懐古桐の花游悦

< 近  詠 >
百蝶の飛び発つ如し花水木蓮囲池
藤房をくぐれば胸のつかえ落つ―〃―
枕辺にかっこうを聞く鄙暮し―〃―
母の日や具沢山のおみおつけ―〃―
新茶汲むくさぐさのこと思いつつ―〃―



<高点句再掲>
5点 四阿(あずまや)に雨の匂ひや花菖蒲 ☆☆游悦
3点 角のある話を丸め冷し酒 越庵
3点 酔ふほどに気宇は壮大冷し酒游悦
3点 翡翠や川面に消えし神の技幸風
2点 湧水を(むす)ぶ幼児夏きざす 茂睡
2点 翡翠のツィと消えるや片思い 越庵
2点 花菖蒲群れなす乙女甲高し 越庵
    他の2点句 ‥‥ 4句
    1 点 句 ‥‥17句(うち特選3)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆ は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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さくらイラスト

第71回句会

2017年3月24日(金)  於 :学士会館
兼 題:東風、花見、土筆、子猫、「学」(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)

印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<深谷柏葉 選>
日の暮や(はぐ)れ子猫の声細し  玄舟
雑学も博学のうち喜寿の春游悦
ボランティア土手の土筆を残しけり游悦
土筆摘む人無き山河人恋し貞風
落城の悲哀を思ふ花見かな弁慶

<大立目茂睡 選>
母が居て土筆摘む児の大き声 玄舟
退社まで独りシートの花見かな玄舟
風紋の砂丘に立ちて東風を聞く柏葉
捨て子猫抱く少年の目に決意游悦
春暁や目覚め重たき雨の音柏葉

<奥山游悦 選>
母が居て土筆摘む児の大き声 玄舟
お花見や災後六年(こうべ)垂れ三甫
東風に乗りかすかに聞こゆ童歌玄舟
日の暮や(はぐ)れ子猫の声細し玄舟
波し吹く津軽の海や雁帰る柏葉

<平山越庵 選>
春分や股引脱ぎし頼りなさ 茂睡
日本中クローンの群花見かな茂睡
沃野ゆく紙飛行機の東風に舞ひ游悦
捨て子猫抱く少年の目に決意游悦
母が居て土筆摘む児の大き声玄舟

<白石玄舟 選>
眠る子の腕を枕に寝る子猫 貞風
落城の悲哀を思ふ花見かな弁慶
ボランティア土手の土筆を残しけり游悦
風紋の砂丘に立ちて東風を聞く柏葉
土筆摘む人無き山河人恋し貞風

<三浦三甫 選>
土筆摘む母子の平和とこしへに 柏葉
磐梯の峰から下りる桜東風弁慶
東風に乗りかすかに聞こゆ童歌玄舟
波し吹く津軽の海や雁帰る柏葉
捨て子猫抱く少年の目に決意游悦

<松本貞風 選>
退社まで独りシートの花見かな 玄舟
沃野ゆく紙飛行機の東風に舞ひ游悦
落城の悲哀を思ふ花見かな弁慶
ボランティア土手の土筆を残しけり游悦
母が居て土筆摘む児の大き声玄舟

< 鈴木蓮囲池 場外選
ボランティア土手の土筆を残しけり 游悦
風紋の砂丘に立ちて東風を聞く 柏葉
波し吹く津軽の海や雁帰る 柏葉
磐梯の峰から下りる桜東風弁慶
眠る子の腕を枕に寝る子猫貞風
春暁やバス停の文字読めるほど茂睡
日の暮や逸れ子猫の声細し玄舟
土の精変化其処此処筆の花越庵
退位など与り知らぬ花見かな越庵
春暁や目覚め重たき雨の音柏葉

< 近  詠 >
もう一章読み続けおり花の夜蓮囲池
百蝶の飛び発つごとし花水木―〃―
藤房をくぐればもののつかえ落つ―〃―



<高点句再掲>
4点 母が居て土筆摘む児の大き声 ☆☆玄舟
3点 捨て子猫抱く少年の目に決意游悦
3点 落城の悲哀を思ふ花見かな弁慶
3点 ボランティア土手の土筆を残しけり游悦
2点 退社まで独りシートの花見かな 玄舟
2点 日の暮や(はぐ)れ子猫の声細し 玄舟
    他の2点句 ‥‥ 4句
    1 点 句 ‥‥ 8句(うち特選3)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆ は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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酉イラスト1


第70回句会

2017年1月27日(金)  於 :学士会館
兼 題:春隣、寒卵、笹鳴、福寿草、「笑」(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。
(次回以降一人ずつ繰り下げます)


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。


<武蔵弁慶 選>
笹鳴やそっと手を止む庭ぼうき  玄舟
笹鳴や独り歩きの道標越庵
福寿草町一番の子沢山貞風
寒卵一網打尽の殺処分幸風
旅の果て浄土で笑むや春隣幸風

<奥山游悦 選>
寒卵ぷるんと黄身の弾け出る 柏葉
産みたてを拾う温もり寒卵貞風
生きものが動き出したる春隣弁慶
春隣軒に雫の音繁く玄舟
夕星のいつしかぼやけ春隣柏葉

<平山越庵 選>
旅の果て浄土で笑むや春隣 幸風
可愛くて毒もあったね福寿草幸風
笹鳴や一級河川の棲み心地貞風
山茶花の訓み教へたる妹逝けり茂睡
孫子去り三日の妻の初笑ひ茂睡

<白石玄舟 選>
産みたてを拾ふ温もり寒卵 貞風
寒卵ぷるんと黄身の弾け出る柏葉
菰まとひ艶やかに笑む寒牡丹游悦
紅富士や雲ひとつなきけさの春柏葉
孫子去り三日の妻の初笑ひ茂睡

<小林幸風 選>
山茶花の訓み教へたる妹逝けり  茂睡
笹鳴や独り歩きの道標越庵
笹鳴や一級河川の棲み心地貞風
福寿草町一番の子沢山貞風
孫子去り三日の妻の初笑ひ茂睡

<三浦三甫 選>
眉を置くおかめの顔や初笑ひ 柏葉
病癒え友の笑顔や福寿草玄舟
春隣軒に雫の音繁く玄舟
笹鳴やそっと手を止む庭ぼうき玄舟
遅咲きの綱への涙春隣越庵

<松本貞風 選>
朝市や籾殻温し寒卵 游悦
笹鳴や独り歩きの道標越庵
佳きことのまだありさうな福寿草游悦
その頃は贈答品よ寒卵茂睡
遅咲きの綱への涙春隣越庵

<深谷柏葉 選>
笹鳴や一級河川の棲み心地 貞風
初夢か幼き笑顔浮ぶ笑み玄舟
春隣軒に雫の音繁く玄舟
可愛くて毒もあったね福寿草幸風
笹鳴やそっと手を止む庭ぼうき玄舟

< 鈴木蓮囲池 場外選
笹鳴や独り歩きの道標 越庵
眉を置くおかめの顔や初笑ひ 柏葉
福寿草町一番の子沢山 貞風
孫子去り三日の妻の初笑ひ 茂睡
女子駅伝都を走る雪女貞風
寒卵ぷるんと黄身の弾け出る柏葉
朝市や籾殻温し寒卵游悦
笹鳴や一級河川の棲み心地貞風
禄なくてなんぞめでたき福寿草茂睡
産みたてを拾ふ温もり寒卵貞風
春隣軒に雫の音繁く玄舟
笹鳴やそっと手を止む庭ぼうき玄舟
紅富士や雲ひとつなきけさの春柏葉
不揃いの笹子の声や寺の森弁慶

< 近  詠 >
白鷺の脚の長さや十二月蓮囲池
大寒や社に沈む鴉二羽―〃―
コンビニにコーヒー一杯雪催―〃―



<高点句再掲>
3点 笹鳴や一級河川の棲み心地 貞風
3点 笹鳴やそっと手を止む庭ぼうき 玄舟
3点 笹鳴や独り歩きの道標越庵
3点 春隣軒に雫の音繁く玄舟
3点 孫子去り三日の妻の初笑ひ茂睡
2点 寒卵ぷるんと黄身の弾け出る 柏葉
2点 旅の果て浄土で笑むや春隣 幸風
2点 産みたてを拾ふ温もり寒卵 貞風
2点 山茶花の訓み教へたる妹逝けり 茂睡
    他の2点句 ‥‥ 3句
    1 点 句 ‥‥11句(うち特選2)



印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆ は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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この前の例会記録はここをクリックしてください。前回第68回から遡れます。





これまでの例会の開催日、兼題等は「開催記録」にまとめてあります。




    

<  会      員  >

谿 聲けいせい村上 幹也
 (主宰)
越 庵えつあん平山 隆一
玄 舟
げんしゅう
白石 紀彦 三鬼堂さんきどう合田 俊知
三 甫さんぽ三浦 器允 貞 風ていふう松本 貞
柏 葉はくよう深谷 武 茂 睡もすい大立目 茂
弁 慶べんけい武蔵 好彦 游 悦ゆうえつ奥山 興悦

<長 期 休 会 中>
如 雨じょう岩渕 上 竹 風ちくふう加賀美 一
仲 安ちゅうあん中野 安弘 蓮囲池れんいち鈴木 練一
<物 故 会 員>
啓 窓けいそう高橋 啓悟 興 山こうざん伊東 興三
幸 風こうふう小林 幸司 修 人しゅうじん小川 修
竹 林ちくりん内山 武司



(俳号50音順)


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