萩の香る宮城野

東北大鬼城句会例会記録Ⅵ

村 上 谿 聲 主 宰 の 同 窓 句 会 例 会

第52回('14/01)から第60回('15/05)までの例会記録です。

このほかの例会記録

例会記録Ⅰ第 1~ 9回('05/ 7~'06/11)
例会記録Ⅶ第61~69回('15/ 7~'16/11)
例会記録Ⅱ第10~20回('07/ 1~'08/ 9)
例会記録Ⅷ第70~78回('17/ 1~'18/ 5)
例会記録Ⅲ第21~30回('08/11~'10/ 5)
例会記録Ⅸ第79~87回('18/ 7~'19/11)
例会記録Ⅳ第31~40回('10/ 7~'12/ 1)
例会記録Ⅹ第88~99回('20/ 1~'21/11)
例会記録Ⅴ第41~51回('12/ 3~'13/11)
例会記録ⅩⅠ第100~111回('22/ 1~'23/11)
例会記録Ⅵ第52~60回('14/ 1~'15/ 5)
例会記録ⅩⅡ第111~………回('24/ 1~……)


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雨蛙

第60回句会

2015年5月29日(金)  於 :学士会館
兼 題:さくらんぼ、蝸牛、山開き、青嵐、球。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。

(次回以降一人ずつ繰り下げます)



印は特選に選ばれた作品です。
特選以外はおおむね清記順の記載で、順位ではありません。

<平山越庵 選>
実ひとつに千の思ひ出さくらんぼ 柏葉
蝸牛逃げも隠れもせぬ度胸貞風
自転車の子に容赦無き青嵐如雨
霊山はまだ開かれず月の山幸風
俳句帳ひとまづ閉ぢて青嵐游悦

<小林幸風 選>
わが胸の乾きおぼえる青嵐 弁慶
かたつむり朝露のごと転げ落ち三甫
どこへ行く八手の葉先きかたつむり竹林
青嵐上野にロダン逞しく如雨
憧れと試練の劔山開き越庵

<三浦三甫 選>
句作りや十年遅遅と蝸牛 越庵
どこへ行く八手の葉先きかたつむり竹林
子規駆けし野球場跡飛花落花如雨
憧れと試練の劔山開き越庵
安全を神に祈りて山開き弁慶

<岩渕如雨 選>
実ひとつに千の思ひ出さくらんぼ 柏葉
蝸牛逃げも隠れもせぬ度胸貞風
句作りや十年遅遅と蝸牛越庵
霊山はまだ開かれず月の山幸風
ボール追ふ子等の掛け声夏初め弁慶

<内山竹林 選>
わが胸の乾きおぼえる青嵐 弁慶
泰山木雨上がりてのち香り立つ柏葉
五百羅漢忿怒の面にも風青し柏葉
陽の雫たわわに光るさくらんぼ幸風
憧れと試練の劔山開き越庵

<松本貞風 選>
青嵐モンゴルに湧く国技館 幸風
眇眇びょうびょうと法螺貝響く山開き游悦
実ひとつに千の思ひ出さくらんぼ柏葉
かたつむり英世の生家住み処とす弁慶
自転車の子に容赦なき青嵐如雨

<深谷柏葉 選>
蝸牛逃げも隠れもせぬ度胸 貞風
眇眇びょうびょうと法螺貝響く山開き游悦
かたつむり朝露のごと転げ落ち三甫
霊山はまだ開かれず月の山幸風
孫の頬桜桃に似て輝けり三甫

<武蔵弁慶 選>
句作りや十年遅遅と蝸牛 越庵
リハビリの散策楽し青嵐興山
かたつむり朝露のごと転げ落ち三甫
神社前てふバス停や青嵐如雨
どこへ行く八手の葉先きかたつむり竹林

<奥山游悦 選>
子に頒けて三粒残りしさくらんぼ 如雨
五百羅漢忿怒の面にも風青し柏葉
どこへ行く八手の葉先きかたつむり竹林
かたつむり英世の生家住み処とす弁慶
子規駆けし野球場跡飛花落花如雨



< 鈴木蓮囲池 場外選
青嵐モンゴルに湧く国技館 幸風
朴高し白き宝珠を開きたり 越庵
眇眇びょうびょうと法螺貝響く山開き游悦
五百羅漢忿怒の面にも風青し柏葉
どこへ行く八手の葉先きかたつむり竹林
青嵐上野にロダン逞しく如雨
実ひとつに千の思ひ出さくらんぼ柏葉


<高点句再掲>
4点 どこへ行く八手の葉先きかたつむり竹林
3点 句作りや十年遅遅と蝸牛 ☆☆越庵
3点 実ひとつに千の思い出さくらんぼ ☆☆柏葉
3点 蝸牛逃げも隠れもせぬ度胸 貞風
3点 かたつむり朝露のごと転げ落ち三甫
3点 霊山はまだ開かれず月の山幸風
3点 憧れと試練の劔山開き越庵
2点 我が胸の乾きおぼえる青嵐 ☆☆弁慶
    他の2点句 ‥‥ 5句
    1 点 句 ‥‥11句(うち特選2)


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
互選数に場外選は含みません。

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かめ


第59回句会

2015年3月27日(金)  於 :学士会館
兼 題:春めく、朧、雛祭、亀鳴く、菜の花。当季雑詠。

会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)
☆ お気づきの点がありましたらご連絡ください ☆


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<合田三鬼堂選>
葉一枚残し留守居の桜餅 如雨
紅つけて官女姿の雛まつり竹林
我知らぬ妻の少女期雛祭游悦
菜の花に色をゆづりて昼の月如雨
春めくや珈琲を置く外の卓如雨

<伊東興山 選>
廃村は菜の花色に染まりをり 柏葉
菜の花の中を笑顔の肩車游悦
津波よだの跡隠して浮かぶおぼろ月 竹林
葉一枚残し留守居の桜餅如雨
我知らぬ妻の少女期雛祭游悦

<三浦三甫 選>
菜の花に色をゆづりて昼の月 如雨
沈む陽をおぼろに映す能登の海興山
我知らぬ妻の少女期雛祭游悦
初々しく手を組む二人初燕貞風
菜の花や杖を休めて老法師三鬼堂

<岩渕如雨 選>
津波よだの跡隠して浮かぶおぼろ月 竹林
亀鳴きてふと思い出す忘れ事興山
春疾風磔刑像の少し揺る柏葉
菜の花や杖を休めて老法師三鬼堂
春めいて香りを捲めくる新刊書弁慶

<内山竹林 選>
廃村は菜の花色に染まりをり 柏葉
菜の花や富士を引っ張る相模灘弁慶
菜の花に色をゆづりて昼の月如雨
迷い道迷いつつ往き蕗の薹柏葉
春疾風磔刑像の少し揺る柏葉

<松本貞風 選>
廃村は菜の花色に染まりをり 柏葉
菜の花の中を笑顔の肩車游悦
我知らぬ妻の少女期雛祭游悦
津波よだの跡隠して浮かぶおぼろ月 竹林
葉一枚残し留守居の桜餅如雨

<深谷柏葉 選>
端山消え夕星ゆふづつひとつおぼろかな 如雨
沈む陽をおぼろに映す能登の海興山
あな尊母の作りし雛かな越庵
菜の花に色をゆづりて昼の月如雨
葉一枚残し留守居の桜餅如雨

<武蔵弁慶 選>
大宰府の杜の静寂や亀鳴けり 柏葉
亀鳴くやあと百年は生くるとぞ游悦
春めけば3・11を思い出す三甫
亀鳴きてふと思い出す忘れ事興山
春疾風磔刑像の少し揺る柏葉

<奥山游悦 選>
廃村は菜の花色に染まりをり 柏葉
沈む陽をおぼろに映す能登の海興山
太宰府の杜の静寂しじまや亀鳴けり柏葉
春疾風磔刑像の少し揺る柏葉
春めきて心の空き巣兆しけり柏葉

<平山越庵 選>
端山消え夕星ゆふづつひとつおぼろかな 如雨
太宰府の杜の静寂しじまや亀鳴けり柏葉
春めきて和船の手入れ柳橋三鬼堂
沈む陽をおぼろに映す能登の海興山
廃村は菜の花色に染まりをり柏葉



< 鈴木蓮囲池 場外選
菜の花に色をゆづりて昼の月 如雨
春疾風磔刑像の少し揺る 柏葉
葉一枚残し留守居の桜餅 如雨
沈む陽をおぼろに映す能登の海興山
太宰府の杜の静寂しじまや亀鳴けり柏葉
古書店の棚に居並ぶ雛人形弁慶
春めきて香りを捲めくる新刊書弁慶
廃村は菜の花色に染まりをり柏葉


<高点句再掲>
5点 廃村は菜の花色に染まりをり ☆☆☆☆柏葉
4点 菜の花に色をゆづりて昼の月 如雨
4点 葉一枚残し留守居の桜餅 如雨
4点 我知らぬ妻の少女期雛祭 游悦
4点 沈む陽をおぼろに映す能登の海興山
4点 春疾風磔刑像の少し揺る柏葉
3点 津波よだの跡隠して浮かぶおぼろ月 竹林
3点 太宰府の杜の静寂しじまや亀鳴けり 柏葉
2点 端山消え夕星ゆふづつひとつおぼろかな ☆☆如雨
    他の2点句 ‥‥ 3句
    1 点 句 ‥‥11句(うち特選0)


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆☆は多重特選)
2点句は特選に選ばれたのみ掲出。互選数に場外選は含んでいません。

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乙未 未新年

第58回句会

2015年1月23日(金)  於 :学士会館
兼 題:葉牡丹、鮟鱇、マスク、霙、眠り(要季語)。当季雑詠。

会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)

創設会員三鬼堂さんも加わり、ほぼフルメンバー11人の出席で盛会でした。


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<小林幸風 選>
長生きの秘訣聞かれる年始め 三鬼堂
枯木立空の蒼さを覆ひけり柏葉
鱈汁の鍋を行き交う国ことば越庵
眠る子の重きに笑みて初詣如雨
寒に入るふる里を見に上野駅如雨

<合田三鬼堂 選>
眠る子の重きに笑みて初詣 如雨
声なくてマスクの動く会釈かな如雨
眠る間も芳香残さぬ雪女越庵
待たるるははるの汐の音眠る海柏葉
鮟鱇の鍋も戻りぬ六角堂幸風

<三浦三甫 選>
長生きの秘訣聞かれる年始め 三鬼堂
恋心みぞれに遭ひし神楽坂三鬼堂
マスク越し美しき人書にふける竹林
あの時が最後の別れ霙の夜游悦
里山の田んぼにポツリ古案山子竹林

<岩渕如雨 選>
幾千の眠りし磯に冬の波 竹林
葉牡丹の庭越しに聞く祝詞かな柏葉
目礼の近さ気付かぬ深マスク越庵
鮟鱇を食らひ舌鋒おさまりぬ游悦
葉牡丹の渦は光を巻き込みて游悦

<内山竹林 選>
大マスク眼力強きご挨拶 柏葉
人も樹も皆老いてゆき山眠る游悦
幾千の初日真紅のピラカンサ貞風
説明会居並ぶマスク同意せず游悦
眠る子の重きに笑みて初詣如雨

<松本貞風 選>
眠る子の重きに笑みて初詣 如雨
名泉や湯船に眠る雪見酒三鬼堂
恋心みぞれに遭ひし神楽坂三鬼堂
目礼の近さ気付かぬ深マスク越庵
鮟鱇を食らひ舌鋒おさまりぬ游悦

<深谷柏葉 選>
葉牡丹の渦は光を巻き込みて 游悦
声なくてマスクの動く会釈かな如雨
鮟鱇の鍋も戻りぬ六角堂幸風
説明会居並ぶマスク同意せず游悦
眠る子の重きに笑みて初詣如雨

<武蔵弁慶 選>
あの時が最後の別れ霙の夜 游悦
手にスマホマスクマスクのラッシュアワー幸風
鮟鱇を食し帰りは水戸始発三鬼堂
葉牡丹の渦は光を巻き込みて游悦
鮟鱇の鍋も戻りぬ六角堂幸風

<奥山游悦 選>
目礼の近さ気付かぬ深マスク 越庵
葉牡丹の庭越しに聞く祝詞かな柏葉
恋心みぞれに遭ひし神楽坂三鬼堂
声なくてマスクの動く会釈かな如雨
鮟鱇も磔イエスも咎なくて如雨

<平山越庵 選>
葉牡丹の渦は光を巻き込みて 游悦
柚子の湯も借り湯の如く住まいおり幸風
鮟鱇を食らひ舌鋒おさまりぬ游悦
説明会居並ぶマスク同意せず游悦
投函の帰りは霙行きは雨貞風

<伊東興山 選>
説明会居並ぶマスク同意せず 游悦
人も樹も皆老いてゆき山眠る游悦
眠る間も芳香残さぬ雪女越庵
霙降り街の片隅二人連れ三甫
待たるるははるの汐の音眠る海柏葉



< 鈴木蓮囲池 場外選
人も樹も皆老いてゆき山眠る游悦
恋心みぞれに遭ひし神楽坂三鬼堂
幾千の眠りし磯に冬の波竹林
葉牡丹に一粒の水輝けり越庵
葉牡丹の渦は光を巻き込みて游悦
鮟鱇を食らひ舌鋒おさまりぬ游悦
幾千の初日真紅のピラカンサ貞風
説明会居並ぶマスク同意せず游悦

< 近  詠 >
晩学の辞書を引く手の悴める蓮囲池
行く路のはるかに遠く寒の夜―〃―


<高点句再掲>
5点 眠る子の重きに笑みて初詣 ☆☆如雨
4点 葉牡丹の渦は光を巻き込みて ☆☆游悦
4点 説明会居並ぶマスク同意せず  游悦
3点 目礼の近さ気付かぬ深マスク  越庵
3点 声なくてマスクの動く会釈かな如雨
3点 恋心みぞれに遭ひし神楽坂三鬼堂
3点 鮟鱇の鍋も戻りぬ六角堂幸風
3点 鮟鱇を食らひ舌鋒おさまりぬ 游悦
2点 長生きの秘訣聞かれる年始め ☆☆三鬼堂
2点 あの時が最後の別れ霙の夜 游悦

    他の2点句 ‥‥ 4句
    1 点 句 ‥‥15句(うち特選2)


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)
2点句は特選に選ばれたのみ掲出。互選数に場外選は含みません。

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千両2

第57回句会

2014年11月28日(金)  於 :学士会館
兼 題:柳葉魚ししゃも、白菜、神楽、冬ざれ、願(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<三浦三甫 選>
健やかを願う盃年の暮 興山
白菜を切る手も清し割烹着幸風
冬ざれや人なき道に犬吠える興山
夜神楽の舞手いささか色好み柏葉
オホーツク柳葉魚追い込むトドの群竹林
<内山竹林 選>
てんでんここの地は今も冬ざるる 幸風
天の荒び宥め宥めて山眠る柏葉
農に嫁し白菜括る日暮まで游悦
冬ざるる脱原発の願ひかな柏葉
冬ざるる仮設住宅四囲の山游悦
<深谷柏葉 選>
柳葉魚食み冷を一杯生きている 三甫
外ッ国の柳葉魚噛みほぎ旅心幸風
農に嫁し白菜括る日暮まで游悦
まったりと篳篥ひちりき鳴りて神楽舞游悦
美保の関森へ雲へと神楽歌幸風
<奥山游悦 選>
薪燃えて赤らむ柳葉魚番屋かな 興山
白菜を切る手も清し割烹着幸風
美保の関森へ雲へと神楽歌幸風
白菜を漬ける母の手赤い筋三甫
貝塚に板碑も放置冬ざるる越庵
<平山越庵 選>
美保の関森へ雲へと神楽歌 幸風
白菜を切る手も清し割烹着幸風
てんでんここの地は今も冬ざるる幸風
オホーツク柳葉魚追い込むトドの群竹林
まったりと篳篥ひちりき鳴りて神楽舞游悦
<伊東興山 選>
白菜を切る手も清し割烹着 幸風
太鼓の音野太くはしる里神楽越庵
佳き句あれ願縣け祈る冬北斗越庵
夜神楽の舞手いささか色好み柏葉
秋祭り大漁祈願の獅子が舞う竹林
<小林幸風 選>
柳葉魚喰うアイヌ文化のおすそわけ 越庵
農に嫁し白菜括る日暮まで游悦
山茶花や悟り澄ましてひらり落つ弁慶
居酒屋で北欧柳葉魚はばきかせ三甫
夜神楽の舞手いささか色好み柏葉

<高点句再掲>
4点 白菜を切る手も清し割烹着 幸風
3点 美保の関森へ雲へと神楽歌 幸風
3点 農に嫁し白菜括る日暮まで游悦
3点 夜神楽の舞手いささか色好み柏葉
2点 てんでんここの地は今も冬ざるる 幸風
2点 オホーツク柳葉魚追い込むトドの群竹林
2点 まったりと篳篥ひちりき鳴りて神楽舞游悦
2点 冬ざるる仮設住宅四囲の山游悦
    互選者が少ないので2点句は全句再掲した
    1 点 句 ‥‥14句(うち特選4)


印は互選で特選に選ばれたものです。

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案山子


第56回句会 

2014年9月26日(金)  於 :学士会館
兼 題:夜長、水澄む、秋扇、落鮎、初紅葉薄紅葉、走る(要季語)。当季雑詠。

会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<内山竹林 選>
落鮎の眼まなこに映る山の色 游悦
動くてふ劔つるぎの氷河初紅葉越庵
峠越す眺望一変初紅葉仲安
薄紅葉登り降りの縞模様幸風
若衆の背せなで踊りぬ秋団扇柏葉

<中野仲安 選>
捨団扇すてうちわ人影もなき海の家 幸風
鮎落ちて山容峨々とゆるぎなく柏葉
鮎錆びてささらの響く麦や節越庵
崩れたる崖に一樹や初紅葉游悦
若衆の背せなで踊りぬ秋団扇柏葉
<深谷柏葉 選>
鮎錆びてささらの響く麦や節 越庵
梁かわしさ迷いもせず鮎落ちぬ興山
落鮎の眼まなこに映る山の色游悦
あと少し推理楽しむ夜長かな 仲安
崩れたる崖に一樹や初紅葉游悦
<奥山游悦 選>
フィットネス 走る窓越し葉鶏頭 越庵
初恋の送り香うれし秋扇竹林
若衆の背せなで踊りぬ秋団扇柏葉
小松座の喜劇始まる秋扇越庵
秋扇や諏訪湖に入りし夕日影柏葉
<平山越庵 選>
崩れたる崖に一樹や初紅葉 游悦
梁かわしさ迷いもせず鮎落ちぬ興山
鬼平の世界に遊ぶ夜長かな游悦
秋扇や諏訪湖に入りし夕日影柏葉
水澄みてバケツの底に兄の居り幸風
<伊東興山 選>
フィットネス 走る窓越し葉鶏頭 越庵
落鮎の眼まなこに映る山の色游悦
動くてふ劔つるぎの氷河初紅葉 越庵
水澄むや昨夜のことも忘れ居り越庵
秋来ぬと夜のしじまに虫の声三甫
<小林幸風 選>
梁かわしさ迷いもせず鮎落ちぬ 興山
落ち鮎のお膳楽しむ老夫婦三甫
一夜明けアッと息のむ初紅葉竹林
あと少し推理楽しむ夜長かな仲安
初紅葉眺め走るは奥州路三甫
<三浦三甫 選>
落鮎の眼まなこに映る山の色 游悦
捨団扇すてうちわ人影もなき海の家幸風
鬼平の世界に遊ぶ夜長かな游悦
梁かわしさ迷いもせず鮎落ちぬ興山
あと少し推理楽しむ夜長かな仲安


<高点句再掲>
4点 落鮎の眼まなこに映る山の色 ☆☆游悦
4点 梁かわしさ迷いもせず鮎落ちぬ 興山
3点 崩れたる崖に一樹や初紅葉  游悦
3点 若衆の背せなで踊りぬ秋団扇柏葉
3点 あと少し推理楽しむ夜長かな仲安
2点 フィットネス 走る窓越し葉鶏頭 ☆☆越庵
2点 鮎錆びてささらの響く麦や節 越庵
2点 捨団扇すてうちわ人影もなき海の家 幸風
    他の2点句 ‥‥ 3句
    1 点 句 ‥‥11句(うち特選0)


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)
互選数に場外選は含みません。

△TOP



金魚玉


第55回句会

2014年7月25日(金)  於 :学士会館
兼 題:土用、夜店、天道虫、枝豆、飲む(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<中野仲安 選>
梅雨滂沱国の容かたちの歪みゆく 柏葉
開きたる嬰の手のひら天道虫游悦
滴りに手を添へ憩ふ古寺巡礼柏葉
天道虫食べ穴残し蒼天へ越庵
波うねり雲立ち昇る土用入り興山
<松本貞風 選>
梅雨滂沱国の容かたちの歪みゆく 柏葉
農薬を絶って頼りのてんと虫興山
"あがられよ"祖母の呼び声土用波越庵
復興の町の賑はひ夜店から游悦
稚魚豊漁土用鰻の蓋を開け幸風
<深谷柏葉 選>
開きたる嬰の手のひら天道虫 游悦
枝豆を摘まみ飛び交う国言葉仲安
"あがられよ"祖母の呼び声土用波越庵
外人の発音は皆エダ・マーメ貞風
親離れ子離れの途みち夜店かな越庵
<奥山游悦 選>
枝豆は産地茹方塩加減 興山
買わずとも覗く楽しみ夜店かな仲安
"あがられよ"祖母の呼び声土用波越庵
綿飴の不思議や今も夜店の灯柏葉
木漏れ日の葉を点々と天道虫幸風
<平山越庵 選>
梅雨滂沱国の容かたちの歪みゆく 柏葉
昼下がり何時かまどろむ土用かな仲安
天道虫葉先を掴みみぎひだり弁慶
枝豆は産地茹方塩加減興山
綿飴の不思議や今も夜店の灯柏葉
<伊東興山 選>
枝豆にふるさと想うあぜの道 竹林
開きたる嬰の手のひら天道虫游悦
妻と子の浴衣目にしむ夜店かな竹林
梅雨空の雲間に月が顔を出し三甫
震災を忘れたような土用波弁慶
<小林幸風 選>
諍ひて禁句飲み込む汗拭ひ 仲安
農薬を絶って頼りのてんと虫興山
息を呑む絶景伽藍夏盛り柏葉
天道虫ナスに止りて虫を食い竹林
綿飴の不思議や今も夜店の灯柏葉
<三浦三甫 選>
万緑の滔滔たるや最上川 幸風
枝豆を摘まみ飛び交う国言葉仲安
ふるき友先ず乾杯に飲むビール興山
妻と子の浴衣目にしむ夜店かな竹林
波うねり雲立ち昇る土用入り興山
<内山竹林 選>
復興の町の賑はひ夜店から 游悦
枝豆や空の青さを食べ尽くす弁慶
波うねり雲立ち昇る土用入り興山
枝豆は産地茹方塩加減興山
木漏れ日の葉を点々と天道虫幸風

< 鈴木蓮囲池 場外選
開きたる嬰の手のひら天道虫 游悦
"あがられよ"祖母の呼び声土用波 越庵
枝豆を摘まみ飛び交う国言葉仲安
農薬を絶って頼りのてんと虫興山



<高点句再掲>
3点 梅雨滂沱国の容かたちの歪みゆく ☆☆☆柏葉
3点 開きたる嬰の手のひら天道虫 游悦
3点 枝豆は産地茹方塩加減 興山
3点 “あがられよ”祖母の呼び声土用波越庵
3点 波うねり雲立ち昇る土用入り興山
3点 綿飴の不思議や今も夜店の灯柏葉
2点 復興の町の賑はひ夜店から 游悦

    他の2点句 ‥‥ 4句
    1 点 句 ‥‥17句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)
2点句は特選に選ばれたのみ再掲。互選数に場外選は含みません。

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雨蛙

第54回句会

2014年5月23日(金)  於 :鬼城草庵
兼 題:鳥曇、根分、遍路、若鮎、草庵(又は鬼城草庵)(要季語)。当季雑詠。


3年ぶりの高崎・鬼城草庵での句会は、会員9名に加えて地元の「櫻草」同人8名の参加を得て盛大に開催されました。
投句各人5句、互選も5句、全85句からの選句はなかなか難しいものがありました。



以下は会員と特別参加の 『櫻草』同人の互選の結果です。
選者の配列順は今回は姓号の50音順です。


印は特選に選ばれた作品です。


<伊東興山 選>
鳥曇一羽遅れて北目指す  竹林
巡るほど魂澄みてゆく遍路かな 郁子
捨て切れず山尚深し遍路道 幸風
新緑の鬼城草庵師を囲む 竹林
根分けせし隣の庭は花盛り 仲安
<岩渕如雨 選>
花みづき四片の白き雲となり  柏葉
桜草根分け重ねし実りかな 柏葉
俗界の重さを乗せて遍路笠 游悦
鬼城庵句座に等しく夏の風 弁慶
繭の紡ぎし世界遺産や鳥ぐもり 柏葉
<内山竹林 選>
桜草根分け重ねし実りかな  柏葉
鮎の子の遡上待ちわぶ山河かな きみえ
若鮎の遠くに眩し老いの旅 幸風
それぞれに思ひを背負ふ遍路かな 仲安
花みづき四片の白き雲となり 柏葉
<奥山游悦 選>
幕引きとなるや人生遍路道   進
根分けして父の思ひ出咲きにけり トシ子
佐渡ヶ島あのあたりかと鳥曇り 仲安
葉櫻の蔭競ひ合ふ鬼城庵 良子
鳥曇ですねと交す探鳥会 良子
<小林幸風 選>
根分けして父の思ひ出咲きにけり  トシ子
干し終へて連山見れば鳥曇 郁子
お遍路の母似の背なや無事祈る 香林
草庵の黒板塀や夏の蝶 蒐火
春の磯小旗打ち振る始発駅 竹林
<中野仲安 選>
夏籠げごもりの草庵精舎の一間かな   進
幕引きとなるや人生遍路道  進
鳥曇一羽遅れて北目指す 竹林
古池や根分け菖蒲の花を待つ 弁慶
若鮎よ世は清流と限らざる 游悦
<深谷柏葉 選>
しがらみの縺れ縺れし根分かな   進
捨て切れず山尚深し遍路道 幸風
若鮎の美形はやはり血筋かも 青郎
草庵の卓にいくつか夏帽子 如雨
庭掃いて友待つ庵雪の下 良子
<松本貞風 選>
七つ立ち娘脚半の遍路かな  蒐火
根分して増えたる鉢の置きどころ 郁子
捨て切れず山尚深し遍路道 幸風
鬼城庵句座に等しく夏の風 弁慶
俗界の重さを乗せて遍路笠 游悦
<武蔵弁慶 選>
我が修羅も老いの兆や鳥雲に   進
若鮎や羽生結弦の決めポーズ トシ子
擬餌針を見向きもしないのぼり鮎 興山
若鮎の遠くに眩し老いの旅 幸風
宝鐸草ほうちゃくそう庵に灯せる森の色 香林


  以下は特別参加の『櫻草』同人の選です
<木暮 進 選>
    櫻草同人
桜草根分け重ねし実りかな  柏葉
根分して増えたる鉢の置きどころ 郁子
捨て切れず山尚深し遍路道 幸風
厚焼きのたまごふんはり鳥曇 青郎
鳥曇ドクターヘリを見失う 貞風
<坂口青郎 選>
    櫻草同人,当季雑詠句選者
内示あり小鮎の光る背と波と  如雨
芝の上お遍路帰りは足軽く 興山
草庵の卓にいくつか夏帽子 如雨
桜草根分け重ねし実りかな 柏葉
鳥曇ですねと交す探鳥会 良子
<佐藤香林 選>
    櫻草同人
巡るほど魂澄みてゆく遍路かな 郁子
鮎の子の遡上待ちわぶ山河かな きみえ
しがらみの縺れ縺れし根分かな  進
我が修羅も老いの兆や鳥雲に  進
庭掃いて友待つ庵雪の下 良子
<高橋良子 選>
    櫻草同人
俗界の重さを乗せて遍路笠  游悦
薫風や再会に涌く草の庵 郁子
根分して増えたる鉢の置きどころ 郁子
若鮎の遠くに眩し老いの旅 幸風
我が修羅も老いの兆や鳥雲に  進
<野口きみえ選>
    櫻草同人
若鮎や羽生結弦の決めポーズ  トシ子
若鮎の遠くに眩し老いの旅 幸風
暮なずむ清流に飛ぶ若き鮎 竹林
バラの花皇后さまのお気遣い 貞風
庭掃いて友待つ庵雪の下 良子
<樋口トシ子選>
    櫻草同人
俗界の重さを乗せて遍路笠  游悦
鮎の子の遡上待ちわぶ山河かな きみえ
佐渡ヶ島あのあたりかと鳥曇り 仲安
鳥雲や流罪の島に大落暉 弁慶
十一番札所で挫折我が遍路 良子
<福島蒐火 選>
    櫻草同人
鳥曇ですねと交す探鳥会  良子
夏籠げごもりの草庵精舎の一間かな  進
バラの花皇后さまのお気遣い 貞風
内示あり小鮎の光る背と波と 如雨
ゴム長の音も吸ひ込む植田かな 游悦
<村上郁子 選>
  櫻草同人,代表代行,課題句選者
若鮎や羽生結弦の決めポーズ  トシ子
少年の恋は一途や鳥曇 香林
草庵に風の音聞く聖五月 柏葉
ゴム長の音も吸ひ込む植田かな 游悦
俗界の重さを乗せて遍路笠 游悦




< 鈴木蓮囲池 場外選
それぞれに思ひを背負ふ遍路かな 仲安
我が修羅も老いの兆や鳥雲に  進
巡るほど魂澄みてゆく遍路かな 郁子
俗界の重さを乗せて遍路笠 游悦
幕引きとなるや人生遍路道 進
過ぎしこと皆美しく鳥雲に未詳
根分して増えたる鉢の置きどころ郁子
鳥雲や流罪の島に大落暉弁慶
若鮎の瀬頭叩き上り初む未詳
巡るほど魂澄みてゆく遍路かな郁子
春の磯小旗打ち振る始発駅竹林
芝に寝てかの日しみじみ鳥曇如雨
叡山の鐘の音ひとつ若楓柏葉
草庵の卓にいくつか夏帽子如雨
未詳>の作者はお申し出ください。

< 近  詠 >
淋しきは頁を繰る音明け易き蓮囲池
ミレー観て帰りは樟の若葉着て―〃―
ひとつずつ煩悩おろす遍路かな―〃―
顔つきの少し変りて遍路果つ―〃―
鳥帰る宿痾も軽うなりゆくか―〃―




<高点句再掲>
5点 俗界の重さを乗せて遍路笠 ☆☆☆ 游悦
4点 桜草根分け重ねし実りかな ☆☆ 柏葉
4点 若鮎の遠くに眩し老いの旅 幸風
4点 捨て切れず山尚深し遍路道 幸風
3点 若鮎や羽生結弦の決めポーズ ☆☆ トシ子
3点 我が修羅も老いの兆や鳥雲に   進
3点 鳥曇ですねと交す探鳥会  良子
3点 鮎の子の遡上待ちわぶ山河かな きみえ
3点 根分して増えたる鉢の置きどころ 郁子
3点 庭掃いて友待つ庵雪の下  良子
    2 点 句 ‥‥13句
    1 点 句 ‥‥24句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重選)
互選数に場外選は含みません。



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さくら

第53回句会

2014年3月28日(金)  於 :学士会館
兼 題:蕗の薹、芽吹く、野焼き、春眠、鳴る(要季語)。当季雑詠。

会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<松本貞風 選>
蕗の薹大志を抱く日も在りし  弁慶 
一村をまるごと燻す野焼かな 游悦
一椀に野の彩りや蕗の薹 游悦
讃美歌の聞こえる窓辺蔦芽吹く 弁慶
野焼きして心の凝しこり燃やしたし 弁慶
<武蔵弁慶 選>
草千里野焼きの丘に馬駆る  竹林
帰る人帰らぬ人も春三年 貞風
春眠や唐の詩人に思い寄せ 興山
鎮魂の鳴る鐘聞くは彼岸入り 三甫
奥入瀬の飛沫に笑みの蕗の薹 越庵
<奥山游悦 選>
三月や海から挽歌鳴り響く  弁慶
草千里野焼きの丘に馬駆る 竹林
帰る人帰らぬ人も春三年 貞風
煙香けむりかの四辺に渡る野焼かな 幸風
先ず欅次に芽吹くは銀杏かな 興山
<平山越庵 選>
三月や海から挽歌鳴り響く  弁慶
蕗の薹香りと苦み箸の友 仲安
一村をまるごと燻す野焼かな 游悦
甘美なる仏の誘ひ春眠す 游悦
讃美歌の聞こえる窓辺蔦芽吹く 弁慶
<伊東興山 選>
奥入瀬の飛沫に笑みの蕗の薹  越庵
雪深し木の芽ふくらみ時を待つ 竹林
鎮魂の鳴る鐘聞くは彼岸入り 三甫
山肌を芽吹く木の葉で薄化粧 仲安
<小林幸風 選>
憂き多く春の眠りの浅きこと  弁慶
帰る人帰らぬ人も春三年 貞風
甘美なる仏の誘ひ春眠す 游悦
山肌を芽吹く木の葉で薄化粧 仲安 
蕗の薹大志を抱く日も在りし 弁慶
<三浦三甫 選>
春の海鎮魂の鐘鳴り渡る  貞風
春眠や唐の詩人に思い寄せ 興山
一椀に野の彩りや蕗の薹 游悦
三月や海から挽歌鳴り響く 弁慶
芽吹かんとする老桐に風やさし 游悦
<内山竹林 選>
魚知るや被災の海も春の海  幸風
風が鳴り枝が音たて春疾風はやて 興山
一村をまるごと燻す野焼かな 游悦
春眠や思いの人と夢の中 仲安
蕗の薹大志を抱く日も在りし 弁慶
<中野仲安 選>
一村をまるごと燻す野焼かな  游悦
一椀に野の彩りや蕗の薹 游悦
春の海鎮魂の鐘鳴り渡る 貞風
春眠に心身ゆだね夢心地 三甫
ほろ苦き旬の味する蕗の薹 興山




< 鈴木蓮囲池 場外選
帰る人帰らぬ人も春三年  貞風
幾度の安全神話蕗の薹  貞風
草千里野焼きの丘に馬駆る 竹林
一村をまるごと燻す野焼かな 游悦
伸し餅を浮かべる如く鵠こう眠る 越庵
一椀に野の彩りや蕗の薹 游悦
鎮魂の鳴る鐘聞くは彼岸入り 三甫
春の海鎮魂の鐘鳴り渡る 貞風
讃美歌の聞こえる窓辺蔦芽吹く 弁慶
浮き浮きと人も芽吹きぬ縄のれん 未詳
芽吹かんとする老桐に風やさし 游悦

< 近  詠 >
凛とした梅一輪を惜しむかな 蓮囲池
落椿紅の気品を失わず ―〃―

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嫁が君 嫁が君


第52回句会

2014年1月24日(金)  於 :学士会館
兼 題:寒雀(初雀)、大根、初詣、寝正月、魚(要季語)。当季雑詠。


会員の互選の結果です。選者の配列順は俳号の50音順です。
  (次回以降一人ずつ繰り下げます)


印は特選に選ばれた作品です。
特選以外は原則清記順の記載で、順位ではありません。

<深谷柏葉 選>
凍て月も住めば都かかぐや姫  貞風
人気なき末社への路初詣 如雨
携帯をマナーモードに寝正月 貞風
炉語りに自慢の魚拓高々と 游悦
初競りや祝儀の高値魚うを知らず 如雨
<武蔵弁慶 選>
薄氷を透して泳ぐ魚の群  興山
初詣柏手響く杉木立 幸風
玉砂利の音連綿と初詣 游悦
凍て月も住めば都かかぐや姫 貞風
炉語りに自慢の魚拓高々と 游悦
<奥山游悦 選>
ほろ酔ひて蝋梅の香に躓つまづけり   柏葉
人気なき末社への路初詣 如雨
冬日入る針重なりし時計台 貞風
淡雪に相合傘の黒と白 越庵
厨より姉の恩沢鰤大根 越庵
神籤引く児の顔やさし初社はつやしろ 柏葉
<平山越庵 選>
故郷の山河は重き初詣  貞風
富士に鷹昼に賜はる寝正月 柏葉
数十羽波に霧にと寒雀 幸風
初競りや祝儀の高値魚知らず 如雨
朝市の粥の大根ほろ苦し 仲安
<伊東興山 選>
小吉と出ても笑顔で初詣  仲安
初雀一瞬にして飛び去りぬ  幸風
淡雪に相合傘の黒と白 越庵
何処へ行く落穂くわえて寒雀 三甫
初競りや祝儀の高値魚知らず 如雨
<小林幸風 選>
玉砂利の音連綿と初詣  游悦
寝正月幾度ラジオの「春の海」 如雨
目覚しは己が鼾の寝正月 如雨
みちのくの風の匂ひや干し大根 游悦
朝市の粥の大根ほろ苦し 仲安
<三浦三甫 選>
初競りや祝儀の高値魚知らず  如雨
初詣柏手響く杉木立 幸風
またひとつ馬齢重ねて寝正月 仲安
炉語りに自慢の魚拓高々と 游悦
味滲みて象牙色した大根や 興山
<岩渕如雨 選>
富士に鷹昼に賜はる寝正月  柏葉
冬日入る針重なりし時計台 貞風
炉語りに自慢の魚拓高々と 游悦
ほろ酔ひて蝋梅の香に躓けり 柏葉
みちのくの風の匂ひや干大根 游悦
<内山竹林 選>
孫等去り平生戻る寝正月  越庵
炉語りに自慢の魚拓高々と 游悦
ほろ酔ひて蝋梅の香に躓けり 柏葉
薄氷を透して泳ぐ魚の群 興山
初競りや祝儀の高値魚知らず 如雨
<中野仲安 選>
充電も放電もせり寝正月  游悦
日溜まりをわがもの顔に寒雀 柏葉
山眠る除染の袋黒々と 竹林
味滲みて象牙色した大根や 興山
初競りや祝儀の高値魚知らず 如雨
<松本貞風 選>
玉砂利の音連綿と初詣  游悦
寝正月幾度ラジオの「春の海」 如雨
なすべきを二年と決めて初詣 越庵
炉語りに自慢の魚拓高々と 游悦
山眠る除染の袋黒々と 竹林



< 鈴木蓮囲池 場外選
冬日入る針重なりし時計台  貞風
炉語りに自慢の魚拓高々と  游悦
みちのくの風の匂ひや干し大根  游悦
山眠る除染の袋黒々と 竹林
進むべき道を求めて初詣 弁慶
剱崎魚三浦岬に春を呼ぶ 竹林

< 近  詠 >
大根すだれ隣り合わせに柿すだれ 蓮囲池
小吉を引き欲ばらぬ喜寿の春 ―〃―
新参の氏子となりて初詣 ―〃―
寒雀夫婦で守る無人駅 ―〃―
大寒の口笛凍てる駅出口 ―〃―



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これまでの例会の開催日、兼題等は「開催記録」にまとめてあります。




      

<  会      員  >

谿 聲けいせい村上 幹也
 (主宰)
越 庵えつあん平山 隆一
興 山こうざん伊東 興三 幸 風こうふう小林 幸司
三鬼堂さんきどう合田 俊知 三 甫さんぽ三浦 器允
如 雨じょう岩渕 上 竹 風ちくふう加賀美 一
竹 林ちくりん内山 武司 貞 風ていふう松本 貞
柏 葉はくよう深谷 武 弁 慶べんけい武蔵 好彦
游 悦ゆうえつ奥山 興悦 蓮囲池れんいち鈴木 錬一

啓 窓けいそう高橋 啓悟 仲 安ちゅうあん中野 安弘

(俳号50音順)


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